ファーストコンタクトの機会をどうやって作るのか…そうか!その手があったか!


 先日、新幹線での移動中にSNSをチェックしていたところ、家スロらしき光景が動画で流れてきました。昨今はご自宅にお気に入りの機種を並べて立派なシマを作り、その模様をYouTubeなどで発信しつつ楽しまれている方を多々お見受けします。この動画では、大花火、獣王、凱旋、ハーデス、バジリスク絆を筆頭に、大ヒットした5号機沖ドキや沖ドキDUOまで確認できました。家スロ王道の人気機種がずらっと並んでおり、もう少し家主さんこだわりのラインナップがあってもいいのでは!? なんてことをスマホ片手に思っていたのですが、SNSを読み進めていくと、これが実は“温泉旅館”の一角に作られた無料パチスロコーナーで、間もなく旅館に宿泊するお客様が遊べるようになるという告知でした。へぇ~、温泉旅館に本格的な無料パチスロコーナーとはなかなか面白い試みじゃないか!と思った次第でして、これは近く泊りにお伺いしなくてはなりませんね。

 令和6年1月1日のこと。葛飾区にある実家でだらだらと寝正月を決め込んでいたところ、明らかに地震とわかる揺れを体感。すぐにテレビを点けて、震源地はどこかな?と速報を待っていると、石川県を中心に「冗談ですよね?お正月にこんな…」と思うくらいの揺れの大きさ。そしてすぐさま知らされる現地の状況……能登半島を中心に甚大な被害が出ていました。さらに同年9月には能登で豪雨災害が起こり、ようやく地震からの復興が始まったところに、さらなる自然の脅威に晒されてしまったのでした。

 先ほどの無料パチスロコーナーを完成させた温泉旅館は、震災の影響を大きく受けてしまった石川県能登地方の和倉温泉にある「和倉温泉はまづる」さんになります。SNSを遡ってみると、元々趣味で集めたパチスロ機をラウンジに並べて打てるようにしていたようで、古参ライターのBOSSさんを招いて対談動画も出されていることを知りました。そしてその後のSNSでは、震災の影響について触れられており、片付けから宿の復旧、半年後にようやくお風呂が復活と、その大変さを時系列で知ることができます。この原稿を書いている時点では、無料パチスロコーナーは“完成間近”とポストされておりますが、当コラムを皆さまが読んでいる頃にはようやく楽しめる環境になっているのではないかと。そして温泉宿で無料パチスロが打てるのって、パチンコパチスロを知ってもらうという観点からしても素晴らしいことではないかと思うわけです。

 まず無料で楽しめるというのがイイ。はまづるさんもやはり料理提供の前にチェックイン必須の温泉宿でしょうから、宿泊客は食事までゆっくりのんびり。そうなると、普段パチスロに興味がなくても「時間もあるし少し触ってみようかな」となる環境が整っています。メーカー主催のイベントや、それこそユニバカサミフェスのアンケートでもよくある回答で、「お金がかかりそうだから敬遠していたけど、ゲームとして777が揃うのは面白かった」は、もはやあるあるなんですよね。パチンコパチスロはゲームとして楽しめる要素があるのは間違いないが、とにかく敷居が高いってこと。実際のところ数ある余暇活動の中でも、お金を多く必要とするのは事実です。もちろん昔と比べて低貸しレートも増えており、きちんと調べて知っていれば安く遊ぶこともできます。しかしなかなかそこまで行き着かないし、私が先輩と連れパチして遊び方を教えてもらった30年以上前とは環境が違いすぎる。なのでまずは無料で遊べて、それで楽しかったらホールへ!という段取りはベストだと思います。

 ホール団体も無料パチンコパチスロ体験の機会を作る努力をしており、関係各所と日々協議を重ねていると聞いたことがあります。まずは体験してもらい、面白いと思えばホールへという流れがいろんな場所でできれば、ファン人口も少しは増えるかも知れません。はまづるさんのある意味やり過ぎた無料パチスロコーナーは、別に業界拡大のために作られたわけではないでしょうが、結果ここでの体験からファンになる可能性は十分に考えられます。わたくしことハセガワ、まずはどうにか時間を作って温泉と美味い料理、そして無料パチスロを堪能してきたいと思います!