2020年2月の業界動向とウワサ


 パチスロ新時代到来となるか? 先月末、日電協記者クラブにおいて噂となっていた6.1号機基準についての説明が業界誌記者向けに行われました。自主規制の見直し=6.1号機基準ということになりますが、出玉に直結する部分は1点のみ。ペナルティ規制の緩和がそれにあたるのですが、この緩和によってAT機のベースカットが可能になるとのこと。現状の規則化では50枚で50ゲーム程度回る高ベース機ばかりですが、これを最大10ゲーム程度カットすることが可能になると言われています。

 現在ホールに設置されているAT機において、ベースが高いから遊べると思っているユーザーは少ないはず。高ベースな分だけ大当りは遠くなり、5号機慣れした私たちからしてもチンタラし過ぎと感じている人が大多数ではないでしょうか。それがベースカットされることで、大当りのかたまり自体は大きくできませんが、勝負感ある機械開発は可能になるとのこと。すでに型式試験には持ち込まれているようで、登場は早くてGW前後?

 6.1号機基準ではゲーム性の部分も2点ほど緩和されます。スタートレバーやボタン等を使用した演出を盛り込めるようになったのと、ビデオリール演出が可能になったことです。ビデオリール演出とは、古くはパチスロカイジで使われたような、当たり判定は小さなリールで行っているが、その結果表示はビデオリールで行うようなゲーム性のことです。こういった機械も開発可能となりました。

 まだまだ6号機開発が厳しい局面であることは間違いありませんが、このような小さな自主規制の撤廃から少しずつできることを増やしていき、ゲーム性等の幅を広げるしか方法はないとメーカー関係者は言います。それと同時に封入式パチスロの開発も検討に入りたいというのが本音とのこと。封入式は出玉情報をサーバーで管理することになるので、ある意味で相互通信搭載となります。そこで新たなゲーム性が入れられるようになると、面白いものができるかも知れません。

 以前に当コラムでも触れていますが、ほぼ同じタイミングでパチンコの天井機能についても調整が進んでいるようです。噂では天井…ではなく“遊タイム“と命名する方向で調整が進んでいるようですが、一定の回転数ハマると時短に突入するというのが考え方の大前提となりそう。また、図柄によって時短回数が変わるといったことも考えられているとか。

 すでに試験へ持ち込んだメーカーでは、遊タイムをクリアできるものとそうでないもののどちらも試験状況にあるとのこと。これはつまり閉店間際にハマった台を閉店後にホール側が任意でクリアできるかできないかの違いです。もしクリアできないとなると宵越し狙いが有効になるので、朝一の台選びもパチスロ的な立ち回りになるでしょう。

 運用が始まったばかりの新基準機ですが、現行のままだとホール営業が成り立たないと各団体が動きを早めて内規の見直しに動いています。この先どこまで許されるかはわかりませんが、2020年末にはパチスロもパチンコも旧基準機がほぼ全て撤去されているはずなので、その時にどれだけ使える機械を世に送り出すことができるのか、そこが目下の問題となります。残された時間はほぼ…ない。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。