2018年10月の業界動向とウワサ


 6号機第一弾として市場投入された「HEY!鏡」。原稿を書いている段階では市場投入2週目でまずまずの稼働を保っています。導入台数も3万台を下回る程度ですが、すでに新パネル投入も決まっており、増台を決めるホールも数多くあると聞きます。本機だけ見れば6号機の未来は明るい!と言えるのですが……。

 実はそれ以降、追随するメーカーがないのです。現在発売が決まっているタイトルはコナミアミューズメントの「戦コレ![泰平女君]徳川家康」と、まだ正式発表ではありませんが山佐の「リノ」シリーズくらい。戦コレ!はAT機ではあるものの純増枚数は5号機と変わりなく、リノはいわゆるリノシステムでボーナスが連チャンするタイプのようですが、やはり出玉力は前作以下ではないかと言われてます。ということで、どちらもこれぞ6号機という機械ではなさそう。

 サミーからは北斗シリーズ(蒼天の拳?)や、ユニバからはハーデス2ならびにまどかマギカ新編の章などが噂されていますが、正式発表は今のところ無し。メーカー関係者の話を総合すると、やはり試験が思いのほか厳しく、なかなか適合を取れないというのが実状のようです。

 そんな状況を受けてか、11月中旬に予定されていたファンイベント「パチスロサミット2018」が中止となりました。6号機のファン向け合同展示会を予想して開催準備をしていたのでしょうが、機械が揃わないのであれば仕方ありません。中途半端に開催するよりも時期を見てまた企画したほうが賢明です。イベント中止は英断ではありますが、実質的にそこまで機械が揃っていないということを露呈したことになります。

 現在ホールサイドが問題視しているのが「来年の1月末に高射幸機と言われるマシンを本当に減台できるのか?」ということです。もちろん減台はしたくないのが本音ですが、そういったルールで動いてきているので、各メーカーから発表されるであろう6号機の中から入れ替え機種を検討する流れとなるはずでした。しかし10月になっても適合状況はかなり厳しく、このままいけば入れ替える機械は現在発売中の5号機、または中古機(当たり前ですが高射幸機以外)となるでしょう。抜本的な入れ替えはもう少し先になりそうです。

 パチンコはどうでしょうか。こちらもパチスロと状況はそれほど変わらないものの、設定付パチンコが一定数登場し、それなりに稼働していることもあり、出だしはまずまずと思っているホールが多いようです。しかし真・北斗無双や沖海4あたりの撤去を迎える時が正念場で、これらに代わる機械をメーカー側が供給できるのかどうかが問題。もちろんスペックダウンすることは確定しているので、どういったスペックで後継機種を開発していくのか、そこに設定機能は搭載されるのかなど考えることはいくつもあります。まあそれでも、そもそも機械が出てこないパチスロよりはマシだという考え方もありますが。

 最後はユーザーサイドからしても良し悪しは人それぞれかもしれない話題について。過去で言うところのイベントと同等に扱われる「取材系・来店系」の催しも規制される方向だとか。それらはそもそも広告規制を順守するようになってからのある意味脱法的な行為であり、取材や来店といった本来の使い方をしていないホールが多いのですから、目をつけられても当たり前ではあります。ただし一定数のユーザーからすれば打ちに行くモチベーションになっているのもまた真実であり、それまでもが完全禁止になるとホールとしてはかなり厳しくなるでしょう。地道に薄利で営業すれば良いという声もネットを中心に聞こえるのは事実ですが、そういった地道な行為をしながら大きく集客を作っていくというのが現在のやり方なので、メリハリをつけられないとなればかなり辛いはずです。そういう取材系・来店系にとって代わるものもそのうち出てくるとは思いますが、いつまでも脱法に近いことをしていても仕方ありません。しかし、それでもやらねば……というのがホールの本音なのでしょうか。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。