2012年6月の業界動向とウワサ


 地域によって温度差があった「一物一価」問題。いよいよ全国的に差がなく指導が入ることになりそう。この時期、各団体の総会シーズンで、警察庁の方が講話されることが多く、そこで必ず指摘されるのが一物一価問題。このルールが徹底されることによって、パチンコは娯楽からますますギャンブルへと変化していくことでしょう。

 一物一価とはなんぞや。ファンの方でも言葉は聞いたことがあるかもしれません。パチンコ・パチスロは本来遊技であり、換金行為は認められておりません。よってホールでは玉やコインを借りて遊技。出た玉・コインは景品カウンターで景品に交換。この中で特殊景品と呼ばれるものを店舗の外にある景品買い取り所で買い取ってもらい、換金が成り立つ。ちなみにホールはこの買い取り業者から景品を買い取って、再びホール景品として出すのです。

 そしてこの特殊景品の交換数がポイント。1つの景品に対して、2つの交換額があるのは法律上おかしいでしょうという指摘が今回の一物一価問題であり、ホールが頭を悩ましている問題。長きに渡る営業手法、それによる機械性能もあると思いますが、多くのホールがパチスロは等価交換営業だが、パチンコは等価交換よりも低いレートで営業することが多い。ただこれでは1つの景品に対して2つ(1円パチンコに代表される低玉貸しもいれればさらに複数になることも)の交換レートが存在することになり、法律上おかしい。ということで1つの物に対して1つの価格に統一しなさいと指導されているのが現状。

 そうなると元々等価交換での営業がベストであり、現在ホールの主軸になるパチスロに合わせるホールがほとんどで、パチンコも等価交換の流れがさらに加速すると想像できます。等価交換のパチンコ営業。確かに現在は波荒マシンも多く、一発逆転の魅力はありますが、釘調整を露骨に渋く調整せざる得ない場合もあり、そもそものゲーム性が崩れてしまうという懸念もあります。大当たりしたのにアタッカーに玉が入らない。確変中でも玉がどんどん減る。そもそもスタートが回らないなど交換率を等価交換にする弊害は意外と多い。特に低い換金率でお客様を遊ばせる営業で均したホールほど厳しい営業になるでしょうね。

 ユーザーからしてもホール環境に加えて、今は面白いパチンコ台がないと感じてる人が多く、パチスロにユーザーが流れていますよね。パチンココーナー閑古鳥でパチスロ満員御礼というホールも少なくない。また、パチスロは毎月期待の新台が大手メーカーから出続けているのも魅力の1つ。夏前には山佐からモンキーターンを彷彿とさせるゲーム数管理のART機が、ユニバからはドンちゃんシリーズの最新作が、サミーからも獣王シリーズが復活すると言われております。さらにはキン肉マンにアラジン、ゴッドにガロ。パチンコメーカーも参戦して京楽産業からはあの国民的アイドルマシンがスロットでも登場するとかしないとか。しばらくは様々な意味合いでパチスロから目が離せないかもしれません。

 ちなみに夏前後、パチンコマシンの目玉機種はパチスロでも触れた京楽産業のAKBが出るくらいしか話題にならない。パチンコは何を導入しても同じとは知り合いのホール店長の弁。確かに3週間もすればお客様のいない機種が多いですもんね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。