2024年8月の業界動向とウワサ


 ちょうどこの原稿の締め切り間近、世間のお盆休み前に金利上昇からの円高傾向にシフトしたことによる株価の上下、そして南海トラフを起因とする日向灘震源の地震、続いて関東大震災と同じ震源地が揺れた神奈川での地震と、まさに日本が揺れています。地震に関しては、現時点で巨大地震発生のリスク上昇により、注視しながら社会生活を送るようにというお達しが出ていますが、いつか必ず来ると言われている南海トラフ起因の地震。これは日本に住んでいる限り仕方のないリスクです。

 改めて、パチンコ店で遊技中に地震に遭遇した場合どうしたらいいのでしょうか。大きな揺れを感じたらまず頭を守る姿勢を取り、揺れが収まったら店外に出るのが基本パターン。これまでの大地震において、上からものが落ちてきたり壁が壊れることはあっても、シマがそのまま倒れたというケースは聞きません。なのでシマ内にいた場合に一番注意しないといけないのは頭上です。

 パチンコ店は断線などにより火災を引き起こす可能性がわずかながらあるものの、火災リスクは隣接する飲食店に比べたら低いはず。また、店外へ逃げた際に郊外のホールであれば大型駐車場を完備していることもあり、避難場所としては優秀だと思います。ただし海沿いのホールや山の下など、場所におけるリスクはまちまちではありますが。

 さて、ユーザーからすれば大当り中はもちろんですが、その日の持ち玉交換への不安が特に大きいと思います。まず原則として、どのホールも自然災害における出玉保証は行わないという基本方針があります。これは保証したくないのではなく、確認のしようがないというのが一番の理由。例外として、すでに出玉をカードへと移していた場合、本来ならば当日のみ景品交換可能というルールであっても、特別に後日対応可能とするホールはあるのではないでしょうか。

 せっかく入った右打ちラッシュ、地震のせいで手を離したらパンクした……そういったケースは残念ですが諦めざるを得ない。その状況を復活させることは不可能なので、間違いなく遊技していたことが会員カード等でわかったとしても、せいぜいお店のルールに則っていくらかの出玉保証があればラッキーだと思います。

 現在スマスロスマパチ化が進んでいますが、災害被害という観点からすれば玉コインがないのは安全という見方もできますね。もしドル箱が倒れてパチンコ玉が散乱したら、逃げ遅れたり転んで怪我をしたりするリスクがかなり高くなる。いつか起こる有事を見越してではないものの、防災の観点からすればスマート遊技機は素晴らしい取り組みといえます。

 もしご家族がパチンコで遊ばなくても、ご自宅の近くにホールがあるならそこを避難時の集合場所に指定しておくのも悪くない。もちろん万能ではありませんが、トイレもありますし、最低限の(景品用に置かれている)飲料水や食べ物もあるはずです。

 昨今、台風等による水害対策としてホールの駐車場を開放する動きが目立ちます。自治体と連携している地場のチェーン店もあり、そういう観点からもパチンコ店は地域に根ざした動きを担い始めています。普段からホールへよく遊びに行く人も、またそうでない人も、有事の際には頼れるところがあるのだと知っておいて欲しいですね。まあ、何もないことが一番ではあるのですけど……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。