2022年8月の業界動向とウワサ


 6.5号機はパチスロの救世主となるのか!? 7月初旬に導入開始された「パチスロ 犬夜叉」、そして「パチスロ甲鉄城のカバネリ」。この2機種の稼働が絶好調です。どちらも6.5号機仕様のATタイプですが、特に犬夜叉は導入2日目で早くも万枚報告がネット上を駆け巡り、有利区間の変更でこれほど出玉感を変えることができるのか!と、すぐに話題となりました。導入から1ヶ月以上経過した現在も空き台を見つけるのが難しいホールも多く、その人気ぶりが伺えます。ユーザーからは「6号機ついに始まった!」との声も上がるなど、パチスロ熱が一気に戻ってきた感は強いです。

 6.5機仕様になったことでの大きな変更点は2つ。1つは、2400枚で有利区間が終了するところは変わりませんが、同一有利区間内2400枚+αの差枚数方式に変更されたことで、きっちり出玉として2400枚獲得できるようになりました(事実上の制限緩和)。もう1つは、有利区間が3000Gから4000Gへと変更されたことで通常ゲームの幅を広げることが可能となり、純増枚数が少ないゲーム性でも2400枚をきっちり出せるように。また細かい点でいえば、6.4号機からではありますが有利区間ランプを表示しなくてもよくなりました。

 というようなことが許されるようになってパチスロ6.5号機仕様はかなり良くなるのではないか?と噂されていましたが、実際にホール導入されて稼働してからでないと、ホール関係者やユーザーも半信半疑だったのではないでしょうか。そうしてふたを開けてみると…これはもう明らかに出玉感が違いました。これなら今後出てくる機械にも期待できそう!?

 近々登場する6.5号機で期待されているタイトルは、伝説のロックバンドとタイアップした「パチスロBOØWY」や、大ヒット沖スロの後継機「S BIG島唄30」といったところでしょうか。パチスロBOØWYは1万台程度しか作れないところに4万台近くの案件があったと聞きます。S BIG島唄30も沖スロをメインで扱っている地域ではバカ売れしたとか。どちらもかなりの出玉感に期待できそうなので登場が楽しみです。

 その後も年末に向けて続々と6.5号機が出てくると思われますが、同時にスマートパチスロも年内にお披露目になると予想されます。すでに一部のメーカーでは型式試験に合格したと言われており、パチスロはさらなる新時代へと進むはず。スマートパチスロは、出玉面でいえば6.5号機基準における有利区間ゲーム数を完全撤廃してよくなったのですが、現時点では出玉面というよりも設備面での変化を強く感じるものとなっています。そもそもメダルが無くなるのだから”新感覚パチスロ”であることは間違いないと思います。

 パチスロを長く嗜むユーザーからすれば、メダルのないパチスロは「パチスロではない」と思うかもしれません。そういった意見は個人的にも思うところがあります。しかし、考えてみればメダルがないことによってかなり楽に(まさしくスマートに)遊技できる姿が想像できます。もちろんメダルを積み上げるといった出玉感は失われますが、正直なところ「楽になる」ことは間違いないはず。将来的にコインがないことの気楽さに慣れた頃、コインありの現行機には戻れなくなってしまうユーザーの姿は想像に難くありません。なぜなら人間は楽なものや便利なものに流れていくものですから。

 来年にはスマートパチンコも追随してきます。こちらは俗にいう封入式となり、パチンコ玉は存在するものの、ユーザーが直接玉に触れることはなくなります。玉やメダルがなくなることによって「シマ」という概念がなくなり、当然ながら補給もなくなる。ある種そこから発せられる騒音がパチンコ店の喧騒を作ってきたわけですが、こういったものがなくなることでホールはかなり静かな空間となる。体験したことがある方はわかると思いますが、海外カジノと似たような空間へと変貌していくことでしょう。

 ここから数年間、大きく形を変えていくであろうパチンコ業界。皆さんもその行く末を是非とも見続けて頂ければ幸いです。私も個人的にどう変わって行くのか楽しみにしたいと思います。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。