2022年2月の業界動向とウワサ


 このコラムでも何度も触れてきた旧基準機の撤去問題。その期限となる2022年1月末を迎え、多くのホールで5号機ならびにCR機が撤去されました。良くも悪くもパチンコ・パチスロ新時代を迎えることとなったわけですが、果たして業界の未来はどうなっていくのか? 短期的な流れを含めて、改めて今年1年の予測をユーザーの皆様に説明していきましょう。

 まず前段で説明しておかなければならないのが、2月現在で5号機・CR機の完全撤去が済んでいない地域が存在しているということ。機種によっては書類上の撤去期限を迎えていないものが存在し、こういった機種に限ってその期限まで設置を許すと決めた地域があるのです。最大で今年4月まで期限の残っている機種が存在するので、そこまでは一部の機種が設置され続ける可能性は高いでしょう。

 しかしそういった裏事情を抜きにして、ほぼパチンコはP機、パチスロは6号機がメインとなり、そこに向けて数多くのメーカーから入れ替え機種が発表されました。今はそういった機種をメインコースに設置しつつ、新時代の営業を模索しているのがホール側の現状です。

 パチンココーナーは、前回のコラムでも触れていますが、一昨年の「P大工の源さん 超韋駄天」から始まり、「P牙狼月虹ノ旅人」、「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン」、「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」とヒット機種が立て続けに存在しており、昨今では「P Re:ゼロから始まる異世界生活 鬼がかりver.」が絶好調。この5機種に共通するのが、ツボにハマった時の払い出しの速さが過去最高クラスといっても過言ではないところ。1時間に4万発以上払い出すことができる出玉速度に熱狂しているファンも多いことでしょう。3月上旬に導入開始される北斗無双シリーズ最新作「P真・北斗無双 第3章 ジャギの逆襲」は、なんと1時間で7万発!?もの払い出しが可能となる速さがウリ。もちろんそこまでRUSHが継続することは稀ではありますが、1時間で20万円相当の景品がゲットできるなんて、いよいよ行き着くところまで行った感はありますね。一部では噂が出始めていますが、まさしく規制前夜なのは間違いないところ。

 早々と2月に突入し、多くのホールがパチンコ・パチスロ含めて100台以上の大型入れ替えを強いられています。予想していたとはいえ、それだけ機械代の支出をしているのでどこも出玉は渋い。パチンコはRUSHにさえ突入してしまえば多くの出玉を獲得できる可能性がありますが、その出玉を調整するのはスタートへの入賞率。その入賞率、つまり回転率が本当に厳しいところが多いです。Re:ゼロに至っては元々のスペックが甘いのも一因ではありますが、1000円で10回転なんてホールも散見されます。もし出玉の爆発力に魅入られて勝負をするならば、そこは投資金額を決めて遊技することを推奨します。それくらい現在のパチンコの状況はおすすめできない。まあ、面白い機種が多いからこそ打ちたくなる気持ちもわかりますが……。

 そこまでパチンコから利益を得ないとならない理由は、機械代の回収ノルマももちろんですが、6号機パチスロの不甲斐なさもあると思います。特にジャグラーシリーズを筆頭にノーマルタイプ6号機では全く商売にならない。パチンコが30分で20000発近くを払い出す時代に、ノーマルタイプでは高設定でも1日頑張って3000枚がやっと。ゲーム性や出玉を得るプロセスが違うとはいえ、射幸性を求めるユーザーからすればパチスロに魅力を感じなくなるもの当然でしょう。

 現在パチスロはスマートパチスロを含めて内規緩和に向かってはいますが、ノーマルタイプの緩和は残念ながらここでは認められることはありません。その理由は”内規”ではなく”規則”を改正(7号機に)しないとならないからです。しかしながら、ノーマルタイプを少なくとも5号機程度には戻さないとパチスロの完全復権はあり得ないと思われますが……それとも、内規緩和からノーマルタイプの代わりとなる(パチスロの新たなベースとなるような)ゲーム性が開発されるのか。ある意味でパチスロ業界が常々起こしてきたイノベーションにも期待したいところです。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。