2021年6月の業界動向とウワサ


 国内の新型コロナウィルス感染者数は未だに高い数値で推移しており、この原稿を書いている時点ではまだ多くの地域で緊急事態宣言が発令されています。そんな中、一年延期された東京2020オリンピックの開幕も日々迫っており、連日の報道で「この状態でオリンピック開催はいかがなものか!」とコメンテーターが問題提起している状態なのはご存知の通り。ただ政府は、オリンピック開催は周知の事実と議論すらなく、また国民への丁寧な説明もないままにどうやらオリンピックは開催されそう。ちなみに現在は6月中旬、開会式まであと50日を切った状態で未だに無観客で開催するかどうかも決定されていません……。大丈夫か? 我が国、日本。

 さて、このコラムで政治的問題を語るつもりはありません。今回はもしオリンピックが開催されることになった場合、パチンコ業界に一体どのような影響があるのかを考えてみたいと思います。

 東京オリンピックが当初の予定通り開催されていれば、世界各国から多くの観戦者が来日します。そうした流れを国も作って来ており、もし昨年何事もなくオリンピックが開催されていれば、まさにお祭り騒ぎになっていたはず。そうなるとオリンピックを中心として大々的な警備が必要になってきます。これまでもこのような世界的な催しが行われる場合は、警備のために全国の警察官が駆り出されることが当たり前。それを見越して、オリンピック期間中は新台入替の自粛は当然として、東京を中心としてホールの営業も制限されるのでは?と言われていました。

 ちなみに新台入替と警察がどう関係しているのかと言いますと、ホールが機械の入替を行う際に、申請通りの機械がちゃんと設置されているかどうかを検査するのが警察の仕事となります。つまり書類の受付から入替検査に至るまで警察の手を煩わせることになるので、それを無くすために入替自粛を行うのです。これは警察側から要請される場合もあります。

 新型コロナ蔓延のためオリンピックが1年延期され、冒頭でも書いたように未だに無観客か否かも決定していませんが、現状では世界各国から観戦者(観光客)が大挙して訪れることはありません。よってここから1ヶ月で色々と決定していくのでしょうが、今のところ全国各地の警察には警備要請がかかっていないので、パチンコ業界でも自粛という二文字は出ていません。実際に8月上旬納品でパチンコではSANKYOから「Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン」が、パチスロではユニバーサルからSLOT魔法少女まどか☆マギカ最新作の販売が決定しており、メーカー側からもオリンピックにおけるパチンコ業界の自粛はないと判断しているのでしょう。

 オリンピック開催反対の声が多いとはいっても、開催されれば多くの人が連日テレビに釘付けになるのは間違いありません。すなわち、ホールの稼働状況は決して良くはないでしょうが、ホールが閉まることはない。オリンピックによる悪影響がどれだけあるのかと懸念されていましたが、このまま行くとホールは誰もが予想しない「平常運転」になりそうです。

 パチンコ業界が大きく動くのは年末からでしょうか。旧規則機の撤去期限がこれ以上延期されることはまず無いでしょうから、年末から機械の入替が進んでいくはず。また来年にはメダルレス機の登場も控えており、まだレギュレーションは決定していませんが、それに合わせて2400枚リミッターを撤廃するという動きも裏ではあるらしい。非常に楽しみですね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。