2011年10月の業界動向とウワサ


 年末話題の機種が出揃いましたね。その中でも抜群の注目度なのが、サミーの「パチスロ北斗の拳~世紀末救世主伝説」。12月の頭から納品開始で、業界内騒然。すでに10万台を超える案件がメーカーに入っているようで、捌ききれないとのこと。いわゆる案件の段階でパンクしているみたい。

 60万台近く販売された4号機史上はもちろん、歴代パチスロで最も販売された北斗の拳。5号機ART機市場が成熟してきたこのタイミングで、サミーは満を持して発表。最も売れた4号機のゲーム性をベースに、上乗せに特化したゲーム性を盛り込んでいる模様。

 ARTの純増は2.2枚と現行トップクラス。ARTの継続率は4号機仕様と同じように4パターン。また拳王乱舞TURBOなる爆裂ゾーンも搭載して、一撃万枚近い出玉も期待できるとか。PV内に「神をも超える……」というフレーズがありますが、これ間違いなくミリオンゴッドを意識しているはず。それだけ出玉面でも自信があるのでしょう。もちろん版権認知度・人気・作り込みは問題ない超Aランクマシン。さらなるパチスロ業界の盛り上がりに貢献できるのか、見物です。

 サミー北斗の拳の影に隠れた感もありますが、11月にはユニバーサル系エレコから「赤ドン雅」がデビュー。こちらも5万台近くをすでに完売させているとか。416枚獲得できるビッグボーナスを搭載し、基本はARTで出玉を増やす。純増枚数は1.8枚とのことで、北斗の拳に比べると遊べるイメージか。ただユニバマシンは相当荒いですからね。ミリオンゴッドで搭載されていたエクストラモードとほぼ同機能の祇園モードが搭載されていて、この間は上乗せが確定するドン揃いの出現率が200倍にアップするとか。

 間もなくホールデビューの「押忍!番長2」も順調に売れはしているのですが、販売方法がバタバタ変わり、我々のような販売会社は相当振り回されました。ただ機械のデキはかなり良いので、設置が始まってからの増台も期待できるでしょうね。

 以上、年末話題の3機種ですが、パチスロの勢いを本当に感じますね。それ以外にも脇を固める機種が数機種発表されていますが、どれもそれなりに売れているみたい。もちろん柱が3本あるので、台数目標は控えめですが、パチンコに比べれば雲泥の差。年末のパチンコは京楽産業以外、かなり苦戦しそうな気が。

 その京楽産業、年末は新筐体で「必殺仕事人IV」を投入確定。問題は値段ですね。高い高いと前々から噂になっているので。その前に「スケバン刑事」を急遽販売したのにはびっくり。納品1ヶ月前に発表を決めるって、予算組み上、大手しか買えません。いくら良い機械を作っているとはいえ、ホールの財務状況もだいぶ厳しいはずですが。

 三洋物産からはパフィーのパチンコ台や、その他メーカーからも数だけは発売されるのですけどね。正直僕らも名前くらいしか認識していないマシンが多数。以前に比べてますますヒット機種だけが売れる状況にパチンコもパチスロもなっていくのでしょうね。メーカーの二極分化はますます大きくなるでしょうね。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。