2012年4月の業界動向とウワサ


 ゲーム業界の目玉コンテンツ「モンスターハンター」をひっさげて登場したスロットマシンが、思ったほどではない完成度なのか、はたまたホール関係者の期待が大きすぎたのか、まだまだ導入は続いているものの、人気の方は……。勢いがあるパチスロART機、機械購入にブレーキがかかるかもしれませんね。昨年からメイン機種を大量導入するホールも多いですが、ミリオンゴッド神々の系譜と押忍!番長2、そして北斗の拳も1ボックス程度なら十分運用可能でした。しかしモンスターハンターはもうちょっと少ない台数で良かったと後悔しているホールさんが多い。地域によって売り方に差があるとはいいますが、台数が多いところから導入されていくこともあり、ついトップ導入にこだわったホールは多く買ってしまったのでしょう。

 5月はゴールデンウィーク明けにサミーからコードギアスと山佐から鉄拳デビルバージョン。鉄拳デビルのキャッチコピーは神を超える悪魔ですから、ミリオンゴッド神々の系譜を意識した作りになっているのは明白。純増枚数も3枚あるみたいなので、とてつもなく激しい仕様になっていると予想されますが、その実力はいかに! ちなみに相当売れてまして、初期ロットは完売。やっぱりパチンコ・パチスロ=遊技といいながら、ギャンブル性の高い機械がホールさんは好みなんですね。

 6月はユニバーサルからバジリスク2が登場予定。こちらも3枚とも2.7枚とも言われる高純増がウリのマシン。またまた新筐体での登場で値段がちょいと高いのが頭の痛いところ。ユニバだけじゃなく、最近の機械は40万近いのが当たり前ですからね。もっと映像技術があがったり役モノが搭載されるとさらに値段が上がらないかどうかが心配です。機械を売る立場からすると、どんないい機械でも40万を超えると厳しいなと感じています。ちなみにこちらも飛ぶように売れています。

 パチンコはガロに大海物語2にと、メインどころが稼働しておりまして、この2機種には及第点を付けてもいいのかなと。どちらも進化しているのは画面の大きさと派手さですが、今はこの部分を突き詰めるしかありませんから。ファンもなんだかんだいって派手なものが大好き。特に関西近郊ではその傾向が顕著にありますね。

 5月のパチンコ戦線に京楽産業.からウルトラマンタロウが登場。MAXタイプで今までのシリーズを踏襲した完成度。ちなみにこちらも派手です。京楽産業.ということもあり完売間違いなし。ライバル機種も見当たらないですし。

 スロットメーカーもパチンコメーカーも売れるメーカーとそうでないメーカーの格差がさらに大きくなってきましたね。またヒット機種以外はほとんど売れない市場になっており、大手メーカーは抱き合わせや機歴販売という形でまだ機械を買ってもらえる可能性は高くとも、2流以下は厳しい。もちろんホールが無駄を省けば、少なからず打ち手には還元される可能性が高くなりますが、逆を言えば、どのホールに行っても同じ機種ばかりが並ぶことになります。これだけ機械がたくさん発表されているのですから、本来なら自分のホールに合った機械を選び、個性を出すことも可能だと思うのですが、今は人気のモノを数多く仕入れるのが王道であり、それが全てになりつつあります。たまに出張で他の地域に行っても、代わり映えしないラインナップゆえに旅打ちの面白さは……なくなりましたよね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。