2012年3月の業界動向とウワサ


 年明けからパチンコ業界に対する様々な規制が強化されましたね。まあ本来の決まりをしっかり守って商売しなさいという、ある意味当たり前のことを言われているだけなのですが、そこを曖昧にして商売してきたところが大きいのも事実。結果、きっちり守りなさいと言われると、なかなか難しいことも多いみたいです。

 例えばイベント規制。ここ数年のホール営業において、集客の柱がイベントだったのは事実。監督庁のイベントの定義は、イベントというのは、有名人を招致してお店をアピールする。ショッピングモールなどで、週末に芸能人がステージをしたりするようなイメージですかね。

 ただしこの業界のイベント事。特に機種に依存するイベントは、いわばバーゲン。つまり具体的に金品に対するイベントが主であり、そこは以前から「射幸心を煽るな」と禁止されていたところでもあります。ここが曖昧のまま続けられてきて、イベントが規制された。そうなると今度はイベントの表現を曖昧にして続けた。これもいわゆる隠語表現は禁止と、具体的に指示が出る。このように本来グレーだった部分をどんどんと白黒はっきりつけられているのが現状。今のマインドはグレーならば黒、という感じなので、この業界に閉塞感があるのでしょうね。

 このような流れ、私が知る限りいわゆるサラ金業者と同じ流れに感じています。金貸し業は別段問題ない。法律の決めた通りならば問題ない商売なのですが、サラ金業者が設定したグレー金利が問題となったわけです。このグレー金利がどのようにして設定されていったのかは、私は勉強不足でわかりません。ただ名称が「グレー」というくらいですし、実際ここが問題となったのですから、白ではなかったですよね。これが業界の慣習で許されていて、利益の根源となっていた。でもこれがダメになり、サラ金業者大手は相当痛手をこうむったわけです。

 パチンコの3点方式は、現在は認められた商法ではありますが、やはりグレーであるのも事実。この部分もいずれは法整備が進み、またカジノとの絡みもあり、いずれは変化が見られるかもしれません。ただ、その営業の中身も、曖昧な部分が多かっただけに、今は世間と同じような決め事で、ある意味クリーンに商売しないとならないのかもしれません。黒じゃなければオッケーではなく、誰もが白と思われるからやる、くらいのクリアなイメージが必要な時期に来たのかもしれません。

 さて今回はイベント規制をベースに、現在のパチンコ業界に蔓延する閉塞感について書かせてもらいました。新台情報はこの春の商戦はとにかくパチンコが売れています。久々にパチンコの大型新装開店が相次ぐのではないでしょうか。ただ、ホール営業の主力はやはりパチスロで変わりなく、番長・北斗の拳をベースに、新機種を投入してシマを盛り上げていくのが今年前半の流れになるでしょうね。この2機種くらい長期稼動が見込める、また台数を揃えても営業できるパチンコ台が出てくるといいのですが。新しい大海物語や牙狼、コウダクミにルパン。この4機種から1機種はそんな機種が出ることを祈ります。あとスロットのモンハンは厳しい……かな。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。