2019年1月の業界動向とウワサ


 6号機パチスロが市場に数機種設置され始めました。一発目の「HEY!鏡」がそれなりの稼働状況だったことから、後続の機械にも期待した関係者は多かったです。特に1月導入のサミー「パチスロ蒼天の拳 朋友」、三洋物産「パチスロ 聖闘士星矢 海皇覚醒Special」の2機種は多くのホールに導入され、久しぶりにボックス導入するホールもあったくらい。

 しかしいざ導入されてみると、稼働状況は決して良いとは言えないし出玉も厳しい。HEY!鏡も含めてですが、6号機がホール営業で苦戦する理由はある意味で明確です。というのも、出玉性能云々は以前から言われていることなので予想通りと言えるのですが、いかんせん高設定と低設定の見極めが簡単すぎる。つまり設定差がめちゃめちゃわかりやすい。メーカーサイドもそのあたりの数値をなるべく遅めに発表するなどの策を講じてくるでしょうが、ある程度パチスロに精通しているユーザーがプレイすれば、初当りの軽さ重さだけで上か下かは短時間で想像がつく機種が多いです。また設定6の出率を上げるために、最高設定のみエクストラと言っても過言ではないくらい大当り確率を軽くして、その分試験対策なのか連チャン性能(上乗せ性能)を抑えるなんて挙動を見せる機械もあります。

 このあたりはメーカー営業資料をよく見ていくと、ベースの差だったり、当たりでとれる枚数の期待値だったりで、ある程度開示されてはいるものの、実際ホールで設定を入れて営業してみないとわからない点は多々あります。逆を言えば数機種の6号機が市場に出てきて、設定差を付ける=出玉率を変動させるにあたり、ずいぶんとわかりやすい部分に差を付けないと出玉率の差を付けることができないということがわかってきました。まさに5.9号機はそのような仕様のマシンが多く、6号機ではAT突入率に設定差を設けられるようになったとはいえ、やはり5.9号機の延長線上に6号機があるということがよくわかります。

 現状のホール状況を見ていると、設定付きパチンコ同様、お客様を付けようとお店が努力をすればするほどプロに喰われてしまう現状になっています。早々に高設定を見極められるのもプロ向きと言えます。設定付きパチンコもすでにホールが使いこなすことを諦めかけており、6号機も一度そのような状況を迎えるのではないでしょうか。

 ユーザーからすれば6号機導入直後のHEY!鏡でおいしい思いをした方も多いでしょう。ホールサイドもお客様に定着してもらうために相当努力したのは事実で、業界データでも2か月近く薄利で使われていました。しかし設定を落として利益を取ろうとすると5号機よりも如実にバレてしまうため、結局お客様は飛んでしまう。結果、営業努力をしても無駄……というループに陥るのです。

 設定付きパチンコも、6号機パチスロも、これからも新機種はどんどん出てくるでしょう。そうして現時点での懸念事項は少しずつ解消されていくはず…いや、解消されないと困ります。しかし、いずれにせよ現状の機械が残っている間はどうあがいてもメインは変わらないことが実績で証明されつつあります。なのでパチンコならば北斗無双や沖縄海、スロットならば旧基準の高射幸機が完全撤去されるその時が、新しい基準のマシンで勝負する時なのかもしれません。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。