2018年12月の業界動向とウワサ


 先月のコラムにて、2019年1月には高射倖機を現在の半分まで(総量で言えば30%の設置比率から15%まで)減らさなければならないため、ホールにとって大きな転換期になると伝えました。これはすでにホール団体が自主的に決めていた数値であり、それが具現化する時期に到達した……はずでした。

 全国のホールを束ねる全日遊連は決議にて、6号機の供給が間に合わないことを理由に高射倖機の設置比率ダウンの決定を先延ばしにしたのです。もちろん強制的に減らさなければならなかったわけではなく、あくまでも業界団体として「遊べるパチンコ・パチスロ業界」への変貌を図るために、数値目標を立て、それを守ろうと努力していたわけですが(実際は監督省庁の警察サイドの意向もあり泣く泣くそのような自主規制を決めたわけですが…)結果的にそれを覆すことになりました。

 何度も言いますが、これは法律違反でも何でもないのでお咎めはありません。しかし心象が悪いのも事実で、それ以外のことでプレッシャーをかけられることも多くなるでしょう。これまでグレーゾーンで許されていたことが許されなくなる可能性も低くなく、まず考えられるのは広告規制の強化です。実際のところ“取材と称した類似イベント“もどんどんダメになってきています。ガセイベントなんていらないというファンの声も一定数はありますが、やはり何か打つ際の動機がほしいというのも打ち手の本音。こういった催しが完全にできなくなった時にどれだけ稼働が低下するのか…ホールサイドは戦々恐々としているはずです。

 また、釘問題で摘発されるホールも増えてきました。あくまで整備(調整)の範囲で行っていたとしても、ホールに納品された時のゲージと運用ゲージが異なる機種はどうしても古い機種ほど多くなります。検査で運用ゲージをチェックされ、その台の運用停止を喰らうなんて事例をこの年末にかけて何件か聞きました。もちろんダメなものは何があろうとダメで、行き過ぎたものが摘発されるのは仕方ないわけですが、どうもこれまでは問題ないはずだったものが急遽ダメと言われてしまう事例もあるようです。そこのところの線引きが急に変わると現場は相当困るはずですが、そんなことがアッチコッチで起こっているのが2018年の年末でした。

 さて、2019年はどんな年になるでしょうか。まずは高射倖機の割合を早急に決定した内容に戻して、行政と話し合いができるような関係へと業界団体は舵を切るべきです。そりゃ単価の高いマシンを1日でも長く置いておいたほうが機械代はかからないしファンも喜びますよ。それが一番良いのは誰でも分かります。しかし一度決めたことはしっかりと守って新規則を元にした機械で営業し、メーカーの努力のもとに次の市場を作っていかないと正直この業界に先はないと感じます。2019年は天皇の即位やラグビーワールドカップ等、入れ替え自粛を迫られるようなこともあるでしょう。それらを理由に高射倖機をさらに長く設置しようなんて考えたならば、そのしっぺ返しは確実にやって来るわけで自分で自分の首を絞めることになるのは間違いありません。一度血を流しても新しい業界に生まれ変わる最後のチャンスとも言われる2019年。ファンも新時代に期待していると私は思っていますので、もう過去と決別して新しいパチンコを楽しめる年になってほしいものです。このコラムが続く限り業界の現在(いま)を伝えていきたいと思います!

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。