2018年8月の業界動向とウワサ


 パチンコもパチスロも新しい規則を搭載したマシンの発売が決定し、いよいよホールに設置されるところまで来ました。しかし実際はパチンコで言えばヘソ3個賞球の「ぱちんこCR真・北斗無双」が人気であり、パチスロはユニバ系の高射幸機が稼働の中心。当然ながら検定期間を終えるまで入れ替えられることはないでしょうから、新しい機械は売れていないというのが実情です。

 しかしパチンコでは、とあるジャンルだけは元気なのです。一時期パチスロコーナーでジャグラー+αでノーマルタイプコーナーを開設するホールが多かったですが、それと同じ流れで役モノ搭載機タイプをコーナー化するホールがかなり増えました。お盆前のリニューアルオープンがこの流れに拍車をかけたとも言えます。

 以前からバラエティコーナーで異彩を放っていた「CR餃子の王将3」がこの流れを作ったといっても過言ではないでしょう。こいつは最大7000発の出玉が時に時短連チャンすることもあり、一撃性あり、地域によっては一回交換でも使用できるスペックは唯一無二。最終的にはバランスのいい5000発タイプがホールに残っていますが、一時期は中古で100万円という値段をつけたこともありました。その後、Daiichiから「CR天下一閃」が登場して、完全飛び込み一発台タイプのゲーム性がオールドファンの心に火をつけます。Vに入れば4500発とあって勝負も早く、閉店間際でも勝負できるのが確変搭載機タイプとの大きな違いです。

 天下一閃に続いてDaiichiは役モノ搭載機を連続して発表。うしおととら、犬夜叉といった大型版権を使用したマシンでもキメの部分では役モノを使用しています。そしてこの夏、同社の大ヒット権利モノをアレンジして爆裂機として生まれ変わらせた「CRダイナマイトキングIN沖縄」が登場。このマシンが多くのホールに設置されて人気を獲得。そうした流れから役モノ搭載機タイプをコーナー化する動きが決定的になったと言えるでしょう。

 餃子の王将を大ヒットさせた豊丸産業も、その後「CR今日もカツ丼」という一発台タイプの電役機を発表。しかし諸々の設計が甘く、どうにもホールサイドが利益を取れないということで希望するホールから機械を回収するなんて出来事もありました。こういった設計外のことが起こるのもアナログ=役モノタイプの魅力と言えます。

 また、この役モノ搭載機ブームで無視できないのがマルホン工業。3穴クルーンを3連に連ねて見た目のインパクト絶大! 某アニメに出てきそうなマシンをそのままホールで打てるのが「CR天龍∞」です。玉がクルーンで回っているドキドキ感が3連続で続くゲーム性で大ヒットし、増産も続いた名機。現在も現役稼働中なのは皆さんもご存知の通り。

 それに続く大ヒットとなりそうなマシンがマルホンからこの秋に登場します。役モノ内に可愛らしいキャラクターのバレリーナがいることから平和の名機を想像する方も多いかも……その名も「CRシャカリーナVV」。お釈迦様の釈迦とバレリーナをもじった機種名と想像できますね。詳しいゲーム性はもうすぐ発表されると思いますが、やはり4000発程度の出玉が一撃で取れる役モノ抽選タイプであり、時短機能を使った自力連チャン(一撃8000発)も搭載されているとか。

 その他にも、10万発も出たことで話題になった「CR RAIZINMAN」や、アムテックスの「CR綱取物語〜横綱7戦全力〜」など、本当に打ち手が色々な機種を選べる状況となりました。今後も様々なメーカーからこの市場を狙った新機種が出てくるはず。この手のタイプはデジタルの回り具合のみで台の良し悪しを判別することが難しく、機械ごとに「抜け」なのか「飛び込み」なのかを判断し、役モノに依存する機種であるならばその「クセ」も大事になってきます。なのである意味上級者向けとも言えるのですが、上級者がそこまでやる理由は良い台に出会った時の破壊力に尽きます。そのまた逆も然りで、全くダメな台であればケツの毛まで抜かれてしまうこともある。その点には注意して勝負したいですね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。