2018年7月の業界動向とウワサ


 4号機時代…機械のスペックが尖っていたのはもちろんですが、それに付随してイベントも花盛りだったあの頃。メール配信や店内告知を含め、大なり小なり今で言うところの煽り営業がどのホールでも行われていました。イベントカレンダーが店内に貼られ、メールでは具体的に答え合わせが行われる。もちろん嘘をつくホールもあり、イベント内容の派手さよりも、その内容が正しいのか否かを見抜くことが優良店探しのポイントでもありました。

 5号機初頭もその手法は生きていましたが、煽ったところで機械スペックがイマイチということもあり、段々とイベントも下火に。そんな状況のなか広告規制も厳格化されて、設定を示唆することはできなくなりました。

 しかし、ホールサイドもやはり営業の波を作りたいのか、ここから類似イベント的なことを模索し、何かしら特定日を作ることを始めます。4号機時代からライターを招致してファンを盛り上げるようなことをしていましたが、このライターイベントが一気に流行りだします。昔から名前のあるライターから老舗攻略雑誌に籍を置いているライターまでどんどん来店需要は拡大し、最後の最後は地元のフリーペーパーにコラムを1ページだけ書いているような「誰も知らない」人ですら来店イベントの仕事をする時代に突入。ファンからすれば、その人を知らなくても誰かが来ていればその日はアツいとわかればいいので、ライター来店花盛りの時には無名の誰かさんの来店が相次いだこともありました。

 その後、地域にもよりますがライター来店=イベントと捉えて、「来店はいいけれど告知はダメ!」をはじめ、「来店自体ダメ!」というふうに来店も自主規制されるようになります。そうなると今度はオフ会と称して、「皆で一緒に打ちましょう!」というやり方(オフ会を開催されるぐらいの優良ホールですという建前)で特定ホールに来店を促す手法が始まります。ここ2年くらいの話ですね。また、従来の媒体も取材と称して来店し、実際に出玉具合をネットで拡散し、特定日の設定具合をユーザーに伝える手法も流行っています。出玉取材は従来の媒体が10年以上前から行っていましたが、最近はネット媒体の拡大により、リアルタイムでこの手法が使えることから一気に増えた感じがあります。「全台系」なんて言葉が流行ったのも、この取材手法からだと言えますね。

 類似を含めたイベント事は本来許されるものではないですが、ユーザーも一定数は求めており、それに頼るホールも一部存在することから、今後も手を変え品を変えこのような営業スタイルが編み出されていく可能性は高いでしょう。昨今では取材を用いて出玉をネット配信することもダメという通達が出た都道府県もあり、これまた全国各地で今後規制されていくと思います。しかし、監督機関が素人を装ってネットで拡散を取り締まろうとした場合、発信者が本当に一般の人間という可能性もあり、そこをチェックするのは至難の技かと。最終的に力技を使うとなると、あらゆる媒体で表示禁止にでもしないと……。

 さて、パチンコの設定搭載機もまもなくホールデビューします。そしてこれを商機と捉えている周辺業者がいるとも聞きます。商魂たくましいと思いながらも、ユーザーも高設定を求めてパチンコに行列を作る時代が来るかもしれません。著しく射幸性を煽って営業してはいけないパチンコ業ではありますが、著しくない程度に煽らないとやっていけない商売なのもある意味で事実。この「著しい」の解釈は長年パチンコ業界にいても理解できないライン(線引き)である……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。