2018年5月の業界動向とウワサ


 設定機能搭載パチンコが保通協を通過したという情報が4月末に一斉に流れました。メーカーサイドとしては、こういった新しい仕組みを搭載した機械の場合、正式に販売するスペックを持ちこむ前にテスト申請をすることが多々あります。今回もテスト申請ではないか……つまり販売するタイトルではないようですが、関係者によるとテスト申請が通過したとなれば本命スペックが通ってくるのも時間の問題のようです。

 規則改正によってスペックダウンすることばかりが大きく報道されていますが、パチスロは自主規制を撤廃することによって純増枚数を逆に5号機よりも多くすることが可能となりました。まだ日の目を見ていないので理論値ではあるものの、1Gあたり4枚前後まで純増スピードを上げることは容易にできそうとのこと。また、パチンコも設定機能が搭載されることによって遊び方に大きな変化が出てくるはずです。

 設定機能搭載パチンコについて関係者にさらなる質問を投げかけてみると、最初は以下のようなマシンが登場するのではないかとのこと。まず甘デジをベースとしたマシンが一発目になりそう。これは設定機能を搭載した際の試験での暴れ幅を考えると、甘デジスペックでなければ適合率が相当下がってしまう懸念があるからだとか。

 また、設定機能は2~3段階程度がメインとなるとのこと。最高の6段階設定で開発しているメーカーもあると聞きますが、実際に6段階ある必要性がないことと、6段階にすることによって全設定を試験されたならばこれまた適合させるのが相当厳しくなると予想されます。実射試験はいわばギャンブル。出玉率が暴れたらアウトなので、試験される設定の段階数は少ない方がよいのです。

 言うなれば新時代のパチンコ・パチスロが夏くらいには登場する可能性も高まってきましたが、それまでは当然ながら既存マシンの販売が続きます。過去の事例からすれば、出玉性能面では現行機にメリットがありますので「最後の3000枚リミッター搭載機」だとか「2400発の出玉搭載」といった売り文句での販売が続くはずですが、今のところまだそれほど煽り合戦が始まっているわけではありません。それ以前の旧基準機が市場を席巻しているため、売り文句自体が弱いからなのかも。

 そんな中、パチスロはノーマルタイプ、パチンコは役モノ搭載機が目白押し。パチスロの本命は北電子からジャグラーシリーズ最高峰のマイジャグラーシリーズ最新作が満を持して登場。また、ユニバからはアクロス系と沖ドキのノーマルタイプが登場します。パイオニアからもマイジャグラーを意識したハイビスカスマシンがデビューしたばかり。その他のメーカーもノーマルタイプを用意しているようですが、これらノーマルタイプに実績のあるメーカーから本命機が出たら他は見向きもされない……かな?

 パチンコは餃子の王将や天下一閃のヒットによって、アナログ系マシンが続々と登場していますが、先日ライジンマンの役モノ寝かせ調整のミスにより、永久連チャンが発生したホールがあったとか。このあたりがデジタル抽選マシンと大きく違うところであり、逆を言えば夢があるのですが、新装開店初日に20万発近く出てしまうなんて、現代のミリオンゴッド?……ですね。

 綱取物語や犬夜叉といったキャラクターを用いたデジタル+役モノ搭載機も多数出てきており、こういったマシンを取りそろえるシマ構成も多々見るようになりました。ユーザーが遊技ジャンルを選択できるのは非常に好ましいことですので、この流れは新しい規則下でも続いてほしいところではありますが。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。