2017年12月の業界動向とウワサ


 激動の2017年が終わろうとしている。新規則が決定し、来年2月以降の試験に持ち込まれる機械は、現行機の概ね3分の2程度の射幸性に抑えられることとなりました。細かな内容は以前のコラムで説明しているので割愛しますが、いずれにせよパチンコ業界は射幸性でお客様を煽る営業から「遊技」への原点回帰を強く求められることになります。

 とは言っても、現行機のギャンブル性を「良し」としているユーザーは多く、パチスロで例えるなら、現在の内規でホール設置台数の3割までが設置OKとされている高射幸機の人気は高い。今のホールからバジリスク絆やミリオンゴッド神々の凱旋、アナザーゴッドハーデス、沖ドキが無くなったら、果たして遊技しようと思うのだろうか? 少なくとも朝から並んで狙い台を押さえる!なんてことは減るはずです。

 今年の後半は、現在決定している事項から2018年はどのような営業スタイルをホールが取っていくべきか、ということが議論される場面が多く見られました。新規則に則った機械に関しては、まだ実物が出てきていないので予想しがたいところではありますが、パチスロにおいては6号機へと移り変わるのが現実です。額面通りのスペックであるならば6号機は期待ができない……いや、それ以前にそもそも開発できるのか? と思えるくらい厳しい予測しかできません。

 そのような予測から、まず2018年は現在ある機械を大事に扱うことが予想されます。先ほど挙げた高射幸機に関して、もう一段階設置比率を下げなければならない……なんて事態も予想できますが、逆を言えば今回ギリギリで認定を受けることによって、その認定タイミングにもよりますが最長で3年近く設置することが可能となりました。つまり現在の設置機種に関しては、認定さえされていればルール上期間内(保証書の保証期間みたいなもの)は設置してよくなったわけです。

 そうなるとパチンコもパチスロも今後発売されないスペックのマシンは最大限使えるまで使うというのが大原則。1Gあたり純増3枚、大当り出玉2000発以上のマシンはもう出てこないので、こういったスペックを搭載しつつ人気の現行マシンが今後3年弱はホールの主役となっていくはずです。そしてパチスロで言えばノーマルタイプ。こちらもジャグラーを中心にしてアクロスマシンなども、ホールサイドはあまり入れ替えをしないコースとして薄利で営業してもおかしくないです。

 この辺りのコーナーが固定化されるとなると、来年は残念ながら新台入替が大幅に減るはず。入れ替えれば入れ替えるほどスペックダウンするならば、よほど魅力的な機械でないと入れ替える意味がありませんから。それを見越してメーカー側も販売台数を抑えるなどして無駄を省く努力をすると思いますが、まだまだ温度差があるのも事実です。恐らく来年は遊技機開発から撤退するメーカーも数多く出てくることでしょう。

 ホールサイドからすれば、広告規制の問題はあるにせよ「メインコーナーを甘く使っています」という告知を、手を変え品を変え行うはずです。広告規制下ではイベントNGとなっていますが、ギリギリのグレーゾーンで勝負してくるホールも出てくると思います。それが全体のさらなる締め付けに繋がらなければ良いですが、こればかりは毎度パチンコ業界の悪い癖であり、目先の稼働が欲しいばっかりに指摘されるところも出てくるでしょうね。

 打ち手にとっては、今まで以上にやる気のあるホールとそうでないホールの差が大きくなるのは間違いないところ。その見極めだけはしっかりやらなければなりません。やる気のないホールという表現も、以前ならば営業努力もせず立地の良さに胡坐をかいて……みたいなイメージでしたが、今後はどうせ数年後には廃業するのだから搾れるだけ搾り取ってやろうという先のない営業をするところも少なからず出てくるはず。そんなホールで打つ理由は1つもない!

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。