2017年10月の業界動向とウワサ


 来年の2月1日から新規則が施行されることにより、新しい機械性能が搭載された機械しか流通しなくなります。正確にはそれ以降の試験基準が現行の約3分の2程度に射幸性を抑えられることにより、遊べるマシンが今後は幅を利かせることになるのです。依存症対策を盾に大きく射幸性を削がれた形になったのは皆さんご存知の通り。

 では、現在設置されている機械の扱いはどうなるのか? 概ねですが、その運用、またその扱いについて方向性が定まりつつあります。この原稿を書いている段階では完全に決定していませんが、ここから3年間は以下のような運用になると予想されます。

 まず来年の2月1日以前に設置された機械については、検定期間が残っている間は使用可能となります。つまり現在設置されている機械は、検定期間が残っていれば設置OK。検定期間とは保通協認可が下りたあと、各都道府県で認可を得ることによって保証書が発行されます。その保証期間3年が検定期間であるため、機械により順次設置可能期間は異なりますが、来年2月になったらすぐに撤去とはならないことが決まっています。

 では、検定が切れた後はどうなるのか? 現在はそこがうやむやになっており「みなし機」と呼ばれながら実質稼働している状況です。検定が切れている=保証書がない状態なので、部品交換や入れ替え等ができない状態ですが、設置したらダメとは言われていないので、そのまま稼働させているホールは多いと思います。このような「みなし機」については厳格化されるのではないかと言われており、まず来年2月以降、検定が切れた機械に関しては速やかに撤去という流れになるでしょう。

 問題は現時点でみなし機として設置されている機械の扱いです。これが全く決まっていない状態であり、監督官庁でもある警察庁に問い合わせても正式には答えづらい問題なのか正式回答はなし。恐らく現在もそのまま運用している実態があるために、いきなりダメとは言いづらいのでしょう。しかし保証書がないということは、その状況を「不備」ということも可能であり、また検定切れ=古い機械になるので、厳格に調べれば設置していてはダメな機械もあることが予想されます。設置していてはダメというのは、例えば部品が欠品しているとか、検定通過時と状態が違うということ。よって来年の2月1日までに撤去しないとまずいのではないか……。いやいや、段階交渉して一定期間猶予をもらわないと商売できない……等、いろんな声が聞こえてきています。ただし先程も述べた通り、団体交渉(組合と警察での協議)は物別れに終わっているので、それらの扱いは業界側でラインを決めて行くしかない状態です。

 最後に、現在業界内では何が行われているのか? それは現在設置されている機械で保証書発行可能機種の再認定取りです。保証期間が残っている機械の保証を再度取り直すことにより、そこから3年間は使えるようになる。つまり、現在設置されている機種の延命を図る作業にメーカーもホールも追われている状況なのです。

 その流れは概ね問題なく進んでいます。ユーザー視点で見れば、来年2月1日の段階でかなり古い機械は撤去が進むかもしれませんが、それ以外の機械は段階的になくなっていき、3年間かけて6号機パチスロ・新基準のパチンコへと移行していきます。ミリオンゴッド凱旋やサラリーマン番長あたりは、検定取り直しの作業が進んでいるのであと3年は打てる可能性が出てきました。可能性が出てきたと書いたのは、高射幸機にラインナップされているAT機に関してはホールサイドが自主的に撤去を進めて行く可能性があるからです。

 運用が決まればホールサイドも使える機械の寿命がわかるので、出す出さないの判断を下すことができるようになります。そうなると、ユーザーからすれば勝負する機械が明確にわかりやすくなるはずなのですが。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。