2017年1月の業界動向とウワサ


 大方の予想通り、旧MAXタイプを撤去しないホールが数軒残ってのスタートとなった2017年。これは想定内とも言える出来事であり、残しているホールはもうほとんどが廃業を見越しての営業であるのは間違いないところ。撤去しないホールへの書類発給停止等含めてペナルティは重く、逆にこれ以上抗ってもホールサイドに勝ち目はないです。

 問題はこの現状を世論がどのように報道するのか? カジノ絡みの報道が過熱するなか、ギャンブルを良しとしない勢力から必ず突っ込まれるのがパチンコ報道。釘問題も含めて、こういった流れを見越して手を打ったと前向きに捉える関係者もいますが、実際のところ数軒でも残っている現状があると結果的には叩かれてしまいます。これ以上の強制力をホールサイドに働かせることが難しいとなると、矛先はメーカーに向くのか向かないのか……。

 さて、昨年は旧MAXタイプの撤去を含めてパチンコが壊滅的にやばい……かも、といった先行き予想をする関係者が多かったのですが、ふたを開けてみれば違った様子が見えてきました。一向にスペックの改善が見込まれないパチスロ新基準機への期待が持てなくなり、さらに今年末にはリミッター搭載の5.9号機へシフトすることが確定済み。つまりパチスロも旧基準機にすがるしか道はなく、これらが何かしらの理由で撤去となってしまうと、パチスロは完全に冬の時代を迎えることになります。

 北斗の拳修羅の国篇をはじめ、バジリスクⅢやまどかマギカ2など「このタイトルだけは!」と期待を込めた機械も、残念ながら長期稼働とならなさそう。年明け導入のモンスターハンターも厳しく、最後の最後に何とか期待したいアナザーゴッドポセイドンも、今までの新基準機の惨劇を見ればゴッドシリーズの功績があっても……と期待薄。サミーもユニバもようやく高設定域の出玉率を上げることができるようになってきたので、消去法で行けばこの2社の機械がメインになるのは間違いないところなのですが、果たしてどうなることやら。

 逆にパチンコはスペックダウンにより売上は落ちているものの、稼働状況はそれほど変わっておらず、予想以上に下がらなかったと評価する関係者が多いです。昨年末にかけて、ルパン、エヴァ、慶次、沖海、牙狼とメイン版権が相次いで登場したことも要因のひとつでしょう。春先までにはサミーから北斗の拳シリーズ最新作が登場すると言われており、また新参者のユニバーサルからはパチンコ版ハーデスが登場するとか。昨年夏のイベントで披露されたワイドスクリーンで登場するのか?

 さらにスペック替え機では結果を残せなかった牙狼シリーズですが、こちらも春先には満を持して最新作が登場予定だとか。見た目もさることながら、ミドルスペックでどのように新生牙狼を開発してくるのか? このあたりのラインナップが順調に稼働してくれるならばパチンコはしばらく安泰と言えるでしょう。

 冒頭で書いた通り、パチンコ業界を取り巻く環境についてはカジノ法案の行く末によって目先がかなり厳しくなる可能性はあります。特に、またしてもタガが緩み始めた広告関連については直接ホールが指導を食らうようなことがあるかも。我々打ち手にとってはたとえ類似イベントでも目安になるものがあると有難いところですが、行政はそれ自体を禁じていますので、グレーゾーンで行われているイベント的なものが今年はできなくなると思っていた方がいいかもしれません。それでも、ツイッターを筆頭とするSNSを利用した“個人つぶやき系の類似イベント“は規制する方法がないのも現状ではありますが。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。