2016年5月の業界動向とウワサ


 この原稿を書いている時点では、サミット入れ替え自粛の真っ只中。明けの機械営業はスタートしていますが、どれも低調な動きしかしていないのが実情。それもこれも今年に入ってから新台効果を得られる機械が数少ないのが原因です。パチスロにおいては期待されたアステカ-太陽の紋章-が大ゴケ。すでに閑古鳥が鳴いている店が多く、すぐに減台等の対策が取れないためにホールもさじを投げるしかない状況。パチンコも同様で、どの新台を入れても短命で終わってしまいます。

 そういう状況ゆえに、現在注目されているのは稼働の悪くない現役機種。これら中古機の値段が高騰しているのです。まずパチスロ。超高値で推移している機種は3機種。ジャグラーシリーズではマイジャグラー2。そしてバジリスク絆と沖ドキの2機種は一時期200万円を超える値が付きました。過去から中古機市場をウォッチしていますがこれだけの高値が付いた機種は過去存在しません。

 特にバジリスク絆と沖ドキは異常値。バジリスク絆に至っては、釘問題で棚上げになっているもののパチスロ爆裂機リストに名を連ねているので再認定ができない可能性がある。設置からこの秋で3年を経過するわけですから、再認定できなければ故障=撤去となるはず。もちろん再認定されれば理論上あと3年は部品供給されることとなりますが、認定作業してもらえるかは行政次第。それでも高値で買うホールが後を絶たないのは、それだけパチスロ全体の中でバジリスク絆の貢献度が高い、ということでしょうか。

 バジリスク絆は設定を入れればきっちり出る。設定6を入れていることもアピールしやすい。それでもって無駄に万枚といった爆裂もなければ、しっかりと固まりも作ってくれる。ホールにとっては有り難い存在であるのは間違いないです。噂では検定切れ寸前に新バジリスクがお目見えするとのことですが、この新機種が売れるかどうかは、再認定次第ということになるでしょう。

 パチンコでも中古相場で高値をつけている機種があります。数ヶ月前までは、牙狼魔戒ノ花が100万円を超える額で取引されており、また爆発力で人気を得たビッグドリーム神撃も高値が付いていました。しかし400分の1タイプは今年中に撤去されるのではないかとの噂もあり、ここにきてどんどんと値が下がっています。それに変わって100万円を超える値が付いているのが、サミーの真・北斗無双です。

 こちらはまだ2年以上現役で稼働できることもあり、多台数キープしたいホールが買い増ししているのでしょう。冒頭にも書きましたが、パチンコの新台効果がどの機種も短命で終わってしまう中、人気独り占めの真・北斗無双だけに高値でも押さえたい気持ちはわかります。下限320分の1に設定されている機種もあと少しで販売が終了してしまいます。これだけ中古機が高いのだから、サミーが再販してくれるのが一番有り難いのですが。

 パチスロもパチンコも夏前後には大物タイトルが目白押しになると聞いており、その頃には釘問題や爆裂機撤去の話も同時に進んでいることでしょう。無駄にメイン機種が撤去されることは反対ですが、業界全体としては決められたルールをいずれ守らねばならない。高値の中古機を購入しても長く使えないとなると、ホールは痛手を被ります。情報を正確に伝える役割をしないと、誰かが損をしてしまい、結局ユーザーにそのツケが回ってしまうのです。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。