2016年4月の業界動向とウワサ


 いよいよサミット開催の影響による新装開店自粛期間に突入します。地域にもよりますが、ゴールデンウィーク明けから約一ヶ月は入れ替えができません。よって新台市場は一旦お休み。正直、合法的な問題により機械を購入しないで良いから助かるというホール関係者もいるくらいです。確かに抱き合わせ販売に付き合わないでほっとするという側面もありますが、入れ替えしない分の経費を、出玉に回してくれるのかどうかがユーザーからすればポイントになるのですが……。

 確かに新台の出玉性能が落ちているのだから、新台に魅力を感じることが難しいのは事実。パチンコ北斗無双の調子が良いとはいえ、やはりギャンブル性では牙狼には敵わないわけですし。パチスロも同様、爆裂5号機がまだ市場にあるうちは、どれだけ版権に魅力があっても見劣りしてしまうのが現実です。

 本来、出玉性能が落ちるタームの時期には、ホールサイドは次世代マシンを育てていかなければなりません。例えば今をときめくジャグラーシリーズもそう。4号機時代には主役を張れるような機種ではありませんでしたが、5号機に基準が変わり、スペック的に一番変わらないジャグラーを主役にしようという動きが活発化。やがて撤去しなければならない4号機で利益を上げ、ジャグラーを長きに渡り薄利で営業できたから不動の立ち位置にいるのは間違いないでしょう。本来は「現在」を踏み台にして、次に進まなければならないのです。

 パチンコは釘問題があり、本来なら強制的にその動き(撤去リストに出ている機械の撤去)が活発化するはず。代表的なもので言えば沖縄海3になりますが、現時点では完全撤去には程遠い状態。入替自粛明けから動きが本格化するはずですが、現状ではどうもそのような動きが見えません。中古も含め、代替機になるような機種の売れ方を全くしていないのです。

 ホール側の言い分もあり、百歩譲って自主的に撤去するにしても補償が全くないことには受け入れられないのでしょう。しかし、行政がもう一歩踏み込んで強い規制を入れてきたらもっと立ちいかなくなるのは間違いありません。ここが正念場、なんとか良い方向に向かってほしいと神頼み的な気持ちで機械販売に勤しむ毎日です。

 最後にひとつ。ユーザーの皆さんにはあまり関係ないことですが、4月1日から遊技機の部品交換のルールが変わり、我々機械を販売するものからすると仕事が増えたことになります。もう少し正確に書くと、全く儲からない作業が増えて、仕事が回らない状態に陥りつつある。こうなると部下を抱えない個人商店的機械屋さんはかなり商売が厳しくなるはず。これからはホールも、メーカーも、そして周辺に関わる商売も、大型化や合併を強いられていくでしょう。あのサミーとユニバですら、危機感からか合弁会社を立ち上げるくらいなのですから。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。