2015年10月の業界動向とウワサ


 前回のコラムで書かせて貰ったパチンコの新しいレギュレーションが決定しました。事前の予想通り厳しいものとなり、現状のスペック体で考えるとミドルタイプ程度の射幸性がやっと。また、継続率にも明確な決まりがあるので、出玉は少ないが連チャンの期待度は高いというものも作れないことに。今までが行き過ぎていたと判断するべきなのか、それとも自由度が殺がれたと見るべきか。ユーザーからすれば玉が出れば問題ないのでしょうが。

 10月に現行MAXタイプの販売設置は最後となりますが、この新しい内規が決まったことによって今後は継続率に縛りがないものは来年の4月までの設置と決定が下されました。つまり大当り確率は320分の1以上と甘くても、継続率を高めることで爆発力に期待できた機械もまた、来年春以降には新台として設置できなくなります。各メーカーは開発スケジュール見直し、もしくは前倒し販売とスケジュールはぐちゃぐちゃ。しかも販売台数は軒並み落ち込んでいるので、またも倒産メーカーが数社出てきてもおかしくない状況です。

 パチスロはどうなのか。ホール側は先を見越してノーマルタイプに力を入れ始めています。これは中古価格を見れば一目瞭然。上位で高値にて取引されているのは、ジャグラーシリーズとユニバーサルのハナビ。ノーマルタイプ独占といっても過言ではない状態です。これを商機と見たか、ユニバーサルはハナビのさらなる増産を決定。今後はジャグラーとアクロスノーマルタイプで50%を形成するシマ構成を考えているところも多いようです。また地域によってはこれにハナハナシリーズが加わり、当面は沖ドキメインで営業をするのでしょう。

 11月末でサブ基盤搭載機の新台設置もできなくなり、最後のサブ基盤搭載機の各社営業も佳境に突入していますが、むしろ売れているのはノーマルタイプと旧基準で作られているプレミアムビンゴ。そして数少ない各社の再販分となっています。実際、新基準機と呼ばれるもので好成績を残しているのはパチスロ北斗の拳宿敵のみ。それ以外の機種は大なり小なり稼働の違いはあれど、結論どれも厳しいですね。

 パチンコもパチスロも、スペックがマイルドになるということは一撃の出玉獲得の確率が低くなるということです。言い方を変えれば、波が緩やかになる。以前このコラムでも書いたと思いますが、昔はホール担当の営業マンだったり、外部コンサルタントだったりが設定配分のお手伝いをして、機械の波だけでなく設定の入れ方によっても波を作り集客する努力をしていました。その設定の良し悪しにイベント開催をぶつけていたわけですが、現在イベントは(基本的に)NG。ただし設定を入れて波を作ることはパチスロに許された機能ですし、パチンコもまた整備の範囲内ならば調整は可能なわけです。

 話を新基準機に戻します。例えばパチスロ北斗の拳宿敵。この機械は唯一新基準機では稼働が良いです。ただしAT機に比べれば明らかに設定の良し悪しはわかりやすいですし、その差を体感することもできます。つまりこの機械を長く使うならば、メリハリをつけて、時にはお客さんに出玉を取らせてあげないと長持ちするはずがないのです。その他の機種も同様。現状はまだ旧基準機があるので新基準機を低設定で使いながら、さらに旧基準機で利益を取る構図もわかります。しかし、まもなく旧基準機は自然淘汰、もしくは強制的に撤去される可能性もあります。その時のためにホール側はそろそろ設定を入れて運用することをやり始めないと手遅れになりますよ。逆を言えば、そういう時代になればパチンコ・パチスロは台との勝負ではなくホールとの勝負になり、復活すると私は思います。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。