2015年5月の業界動向とウワサ


 すでに多くの媒体でニュースとなっていますが、マルホン工業に続き、老舗パチンコメーカー「奥村遊機」が倒産しました。近年パチンコの販売台数は減少しており、なおかつ開発費・部材費が高騰しているのだから、赤字企業が増えていくのは必然。大手メーカーですら、2〜3機種予定台数を捌けないと赤字に転落してしまうと言われています。

 また、本部の判断による撤退ではあるものの、パチスロメーカー「アリストクラートテクノロジーズ」も日本のパチスロ市場から姿を消すこととなりました。このようにメーカー各社も完全に二極化が進んでおり、数年後にはほんと一握りのメーカーしか残っていない可能性もあります。

 パチスロ市場は、昨年の試験変更後の機械がちらほら出始めてはいるものの、大ヒット機種が登場することは、ハーデスや神々の凱旋、沖ドキやまどかまぎか……全てユニバグループの機械になりますが、これらがあるうちは難しいでしょう。今年、試験変更の仕様が完全メイン化となり、その後に開発がこなれてくる2〜3年後までは冬の時代になってしまうのでしょうか。

 パチンコ市場もまた、現状下限400分の1から320分の1に変更されることにより、出玉の総量は押さえられます。現行マシンは10月までの新規設置が許されているので、そこに向けてこの夏は現行MAX機のお披露目が相次ぐはずです。

 7月商戦に向けて、まずユニバグループのメーシーからCRミリオンゴッドライジングがファンイベント先行で発表されました。細かいスペック詳細は発表されていませんが、ミリオンゴッドの冠がついているので爆発力があることには違いないでしょう。その他、今夏最大の目玉としてルパンシリーズ最新作が登場すると噂されていますがこれまた詳細は未定。次回のコラムでは数多くの「最後のMAXタイプ」を紹介できることでしょう。

 パチンコネタをもうひとつ。一部で小当り搭載機が注目されています。先日のニコニコ超会議日遊協ブースにて参考出品されていましたが、どれだけのメーカーで商品化に向けて進んでいるのかは微妙とのこと。小当り搭載機に関しては、実質総量出玉は決まっているので、ゲーム性の幅は広がるかもしれないが出玉的には普通に開発したほうが魅力あるものを作れるそうです。また、こういった新しいゲーム性を認めてもらうことにより、拡大解釈するのがメーカーの常套手段ではありましたが、そういった動きも今回はないというのが開発関係者の見解のようです。

 昨今は集客手法のほとんどを機械入れ替えに見出していたホール営業。今までは機械をたくさん買うことにより玉が出せないというロジックに自ら陥っていたところもありますが、市場環境が買いたくても買えない状況になったとき、どのような営業スタイルに変更していくかは見ものですね。ユーザーからすれば、ホール営業がどのように変化していくのか、イベントもできない中でどのようにホールのやる気を見極めていくのか、これからさらにパチンコ・パチスロと付き合っていくならばもう一歩踏み込んで勉強してみるのもいいかもしれません。そのお役に立てるコラムとなれれば幸いであります。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。