2015年4月の業界動向とウワサ


 業界全体で規制強化が進行しています。パチスロの試験方法、パチンコのスペック内規変更に加えて、京都ではライター招致の実質イベントの再度自粛要請と、商品買い取りについて(正確に言えば「現金等提供禁止違反」について)の量定が変更されました。このようにざっくり言えば「規制強化」とも言えますが、健全化に向けて出過ぎた部分を改めるという見方もできます。

 パチンコ・パチスロの射幸性という部分では、パチンコにおいてはパチンコ業界を振り返ってみるとやはり一番高いところまで来ているのは間違いありません。パチスロにおいては、4号機ほどの差玉は出ないにしても、コイン単価でみればほぼ同じでありこれまた最高値に近くなっています。このあたりで一旦規制が強化されることは、ある意味必然なのかもしれません。

 私は機械を販売している立場ですが、この業界が変わっていくにはホールが主導で動かなければならないと考えています。ユーザーがいて、ホールがあり、機械メーカーがある。確かに機械の良し悪しによって、またその魅力によって、ユーザーは足繁くホールに通うこともあれば、ホールから足が遠のくこともあります。最悪「つまらないからもうやめた」なんてこともあるでしょう。よってメーカーは射幸性やゲーム性だけでなく、いろんな版権とタイアップしたりして人気を得ようとしています。まあ正確には人気がある(だろう)機械だから、ホールさんは沢山買ってくださいよというのがメーカーの本質ではありますが、ユーザーからすれば興味があり面白い機械をメーカーが出してくれさえすればいいはずです。

 問題はホールです。特にユーザーに対しては実のところホールの考え方が非常に大事になってきます。我々も高い機械を一台でも多く買ってもらおうと努力しているわけですが(笑)、買って頂いた分は回り回ってユーザーが費用負担することになります。そういう構造のなかで、ホールが買った機械をどう長く使っていくかという感覚はここ10年でかなり薄れ、今は利益貢献を求め、それでもお客さんが離れない機械のみが良い機械という評価となります。よって期待を込めて大量導入しようが、バラエティにお付き合いで買おうが、出し入れをすることはあまりなくなったのは間違いないでしょう。

 どんなに面白い機械でも、粗利1万円稼いだらお客さんの財布から1万円が無くなります。お小遣いが5万円であれば、単純計算で5日しかパチンコが打てません。これが粗利5000円ならば10日間打てるようになります。5回よりも10回打てれば演出も沢山見られるし大当りも多く見られます。何より利益が半分なので、お客さんは玉が出る感覚を得られる。もといデジタルがよく回るように感じるというのが正確でしょうか。

 パチンコもパチスロも基本は同じ考え方であり、海物語もジャグラーも薄利でずっと使い続けて来れたから不動の人気を得られたという人もいます。これは賛否あるかもしれませんが正解だと思います。先日「ミリオンゴッド神々の凱旋」を大量導入したホール部長と話しました。ハーデスほど稼働が良くないと嘆いていましたが、利益は期待通りだと言います。あれだけ荒い機種で期待通りの利益を取り続ければ、そりゃ稼働は落ちるだろう、と。機械の問題もあるでしょうが、ホールの運用にもちょっとは苦言を呈したいですね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。