2015年3月の業界動向とウワサ


 パチスロの試験方法変更の件に関しては当コラムでもお伝えしてきましたが、今度はパチンコMAXタイプにもメスが入りました。3月上旬にメーカーの申し合わせで正式に決まったようですが、いわゆるMAXタイプに規制が入ります。

 今回の決定は内規変更といったものではなく、一応メーカー各社合意の元の自粛となるようですが、大当りの下限が400分の1から320分の1まで引き上げられるのが一番大きなポイント。それ以外にも条件下による最低出玉の設定なども設けられましたが、大当り確率が引き上げられることにより、今の解釈(これは一般的に言われているイメージ)によるMAXタイプは事実上廃止となります。

 また、現行スペック機は10月末の新装開店までとなっているので、9月中旬くらいに発表されるマシンがギリギリ設置されるリミットとなります。リミットから逆算すると、7月中に保通協で試験をしないとこのスケジュールには間に合わないので、年末年始商戦を見込んで開発していた機械は各社突貫で開発を前倒ししていると聞きます。そういったものも含めて夏前からはパチンコMAXタイプのタイトルが乱発されることになるでしょう。

 ホールサイドもまた、遊技機を約3年間使う(再認定をすれば3年延長できるが)ことを見越して、MAXタイプの購入頻度は高くなるでしょう。ただし、MAXタイプだから長持ちするかどうかは別の話になるので、メーカーの煽り文句に騙されず必要な機械を適度に買って頂きたい。まあ業者の私からすれば、少なくとも「最後のMAXになります」はどうであれ使う言葉となるんですが(笑)。

 今後はV確変タイプや、その他の部分にもチェックが入る可能性があると思います。確かに320分の1に大当り確率が上がっても、V確変タイプで開発すればそれなりに荒い機種の開発は可能ですから。まずは大当り確率を底上げすることにより、どんなスペックがメインになっていくかを見極めていくのでしょう。パチンコ・パチスロ含めて、まだまだ予断を許さない状況であることは間違いありません。

 ユーザーとして今回の規制(という一括りで表現するが)をどのように捉えたらいいのか? もちろんギャンブル嗜好派、遊びたい派によって考え方の根本が変わるところはあります。しかしユーザーにとってはメーカーが作る機械云々よりも、足を運ぶパチンコ店が全てです。遊びやすいスペックの機械を強制的に作っても、それを遊べるまま運用しなければユーザーからすれば「遊べない」になる。特に今のパチンコの調整は少々度を超えていると判断できるような場合もあり、これでは逆に遊べるマイルドな機械ほど「安定して負けられる」ということになるのではないかと。よって今一番考え方を変えなければならないのは、ホールサイドなのではないかと私は思うのです。

 行政からすれば、行き過ぎた波の荒さに待ったをかけた。逆を言えばギャンブル性が高く、有名版権を使い知名度も高い機械は、利益率を高めてもお客さんが打ってくれました。もちろん短命で終わる機械も多いですが、それでも商売がギリギリ成り立っていたのだと言えます。これからは(まだ十分ギャンブル性も高いが)、運営側が出し入れで波を作り、お客さんを一喜一憂させることが必須となるでしょう。私が古い業界関係者なのだろうか、昔が良かったと言うわけではないですが、そういったお店側の運営でパチンコ・パチスロの魅力を上げていってほしいと願います。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。