2014年12月の業界動向とウワサ


 今年一年を振り返ると、前半はパチスロが絶頂期を迎え、後半はその下降となるきっかけができた年とも言えます。これが今年一番のトピックスではないでしょうか。

 昨年からホールの主役はパチンコよりパチスロに推移しており、4号機時代を彷彿させるような出玉力のあるマシンが数多く発表され、しっかりと結果を出しました。今年に入ってからもミズホのアナザーゴッドハーデスを筆頭に、高純増&高単価、つまりギャンブル性の高い機種が市場を牽引し人気を博したのはご存知の通りです。

 そしてその流れは来年まで続くのか…そう思っていた矢先に、例のパチスロ試験方法変更の話が勃発。それに引きずられるように今年の後半は新機種が少なく、またそれに比例してパチスロコーナーの稼働もここ数年で過去最低の数値を叩き出しています。考えるまでもなく、イベントの禁止に加えて魅力ある新機種が枯渇している状況では稼働が上がるわけがありません。

 そうした状況下にあってパチスロで明るい話題といえば、2月にサミーから「パチスロアラジンAⅡ」が、4月にはユニバーサルグループから「ミリオンゴッド-神々の凱旋-」が登場確定とのこと。おそらくこの2機種のデキが来年のパチスロ業界の行く末を決めると言っても間違いないでしょう。

 続いてパチンコ。パチンコは厳しいとか、もうダメとか言われながらもヒット機種がいくつか出ています。昨年発売された機種になりますが、今年前半のパチンコを支えたのが平和のルパン三世。そして後半はサンセイR&Dの牙狼金色。この2機種はズバ抜けて稼働が良かった。どちらもMAXスペックということで、パチンコ市場はさらにMAXタイプばかりになり少々バランスが崩れかけていますが、実際のところ人気になるのはこのタイプであるのも間違いないところ。若干論点がずれる部分もありますが、“遊べる“をコンセプトにしただけのパチンコではたとえ某人気シリーズであっても早々にファンからそっぽを向かれてしまうのです。

 さて、来年はどのような年になるのでしょうか? パチスロは11月30日までに駆け込みで保通協へ持ち込まれたマシンがどれくらい通過するのか、これが一番のポイントになると思います。もしここである程度の機種数が揃うならば、実は来年単体では今年と全く変化のない一年になると予測が立ちます。

 パチンコに関しては、牙狼金色で成功した台枠自体をゲーム性に取り込むような大掛かりな仕掛けがどこまで進化していくのか? これに尽きるでしょう。やりすぎると確実に機械の値段に跳ね返ってくるはずですが、刺激が欲しいユーザーには応えていかないといけない。そのバランスをどう取っていくのかがポイントとなるでしょう。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。