2014年11月の業界動向とウワサ


 今月はパチンコの話題から。二か月連続でパチスロの試験方法変更の話を書いてきましたが、その間、注目の2機種が11月頭にデビューしました。サミーからはCR北斗の拳6拳王。もう1機種が三洋物産のキラーコンテンツ、海物語シリーズ最新作「CRまわるんパチンコ大海物語3」です。どちらも10万台以上のヒット機種となり、多くのホールが多台数導入しているのですが、早くも閑古鳥が鳴き始めた機種が……。そう、鳴り物入りで導入された大海物語3の評判がすこぶる厳しいんです。

 メーカー自ら「まわるん」と称した海物語の最新作。簡単に言えば、スペックを辛くしてその分だけ分岐(ユーザー目線で言えばボーダーライン)を高くしたマシン。つまりスペック的には辛い。また、釘では調整できないように通常時から電チューが頻繁に開く仕様になっており、利益を取る営業をしてもぐるぐる回りになる海物語としてデビューしました。確かに回せるのは間違いないですが、その分実質の営業では厳しい部分が散見されました。

 まずメインのスタートチャッカーだけでなく、電チューにも頻繁に拾われるのでどうしても電チューで回る分にはムラが出ます。これが意外とイライラするし、回りも安定しません。実際のところユーザーがどのように意識しているかわかりませんが、まわるん仕様を実行するために行った施策が足をひっぱる形になってしまったと言えるでしょう。

 もう1点がスペックの辛さ。出玉も少ない、確率も(出玉の割には)遠い。そして確変率も低い。その分回せるのだから仕方がないのですが、ドル箱を積めるイメージが沸かないのです。実際、当たり前ではありますが差玉は出ないです。

 また見た目が地味。これも新台効果を生まない理由だと考えます。枠は沖海3と同じ。沖海3は新枠で登場し、明るい配色の盤面でさらにうるさいくらい派手でした。RTCも1時間ごとに相当派手に煽っていましたが、今回の大海3は大海シリーズゆえかどれも地味なんです。よって新台に入れ替わったことに気が付かないお客様もいたと聞きます。確かに役モノがついているわけではないので他シリーズほど見た目に変化はないです。

 このように厳しいところを挙げればキリがないといった感じですが、さすがにダメだから撤去ではホール営業は成り立ちません。沖海3を倉庫から引っ張り出して再設置するところも多いようですが、まわるんを使いこなさないとならないホールも多いと思います。スペックが辛い分、釘を締めれば簡単に利益が取れてしまう。ユーザーの皆様はホール選びだけはいつも以上に気を付けて頂きたいですね。

 北斗の拳6は無難なスタートではありますが、5との違いがあまりないのでこちらも盤石とは言えません。しかし、安定感があるしホールサイドからすれば「海」の問題が大きすぎてそれどころではないでしょう。ギンギラパラダイス登場から15年。ホールの稼働を下支えしてきた海物語神話が完全に崩れてしまう危険性が今回はあるかも……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。