2013年12月の業界動向とウワサ


 厳しいと毎年言われ続けているパチンコ業界ですが、今年は本当に厳しい1年でしたね。もちろん「厳しい」にもいろんな側面があるのですが、私から見ると、1年使えた機械がなかったことが厳しい。これはパチンコにもスロットにもあてはまり、ホールにとってはそれだけ経費増となったことは間違いないでしょう。

 実際、機械が面白くないのかと言えば決してそんなことはないと思うのです。もちろん波の荒い機種が多く、大勝ちに期待できる反面、1回も大当りを見られずに大負けしてしまうなんてこともあるのが現在のパチンコ・パチスロ。それゆえに庶民の財布では太刀打ちできないなんて声も聞こえてきますが、それ以上に稼動が低下した理由は「広告規制」の徹底だと私は思っています。

 まあ、ガセイベントも横行していましたし、確かに指導されている内容の通り健全な遊技という意味ではイベントはあってはならないことでしょう。しかし、実際どのコーナーを攻めればいいかの指針になっていたのは事実であり、ホールサイドも海物語やジャグラーといった機種を筆頭に、大事に使いたい機種をアピールすることによって本当に薄利で営業していたところも多かった。いや、現時点でもアピールできないなりに薄利で営業すればいいことなのでしょうが、お客様からすれば本当に甘いかどうかを見極めることは難しいのか、大事に使っているホールでもちょっとずつお客様が減ってしまう。ゆえに出玉状況は悪くなる。まさしく負の連鎖となった1年だと感じております。

 実際のところ満を持して発表された沖海3も出だしは好調で増台するホールも多かったです。しかし年末近くになると海物語コーナーに閑古鳥が鳴いているホールも少なくない。さらに追い討ちをかけるように、甘沖海3も厳しい状況です。海神話は終わったという関係者もいるくらい一般的な新台と同じような稼働状況になってしまっているのは、機械のデキだけでなく広告規制も関係しているのは間違いないでしょう。ぶっちゃけ甘海は年末でも相当甘く使われているのにねぇ……。

 パチスロも似たような状況ではあるもののパチンコよりは新台効果が長く続いており、メイン機種を導入し続けたホールがお客様に支持された年だったと言えるでしょう。サミーやユニバーサル、大都技研といったパチスロ大手メーカーだけでなく、三洋物産、ニューギン、SANKYOといったパチンコメーカーもパチスロに力を入れたことに加えて、今年は京楽産業もパチスロ業界に参入してきました。それにより毎月力の入った機種がホールに導入され、新台コーナーには活気がありましたね。しかしその分、機械寿命はどんどんと短命になり、本来ならまだまだ主力で活躍してもらわないとならない北斗の拳も設置台数が多いホールではお荷物になりつつあります。ホールサイドとしては突如として吹き上がる出玉性能ゆえに利益はかなり薄利だと思うのですけどね。

 来年はカジノ法案の行く末も決まり、消費税も上がります。あまり希望は持てませんが、誰もが面白いと思える機種が1機種でも多く発表されることを期待したいと思います。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。