2013年7月の業界動向とウワサ


 秘宝伝〜太陽を求める者達〜以来、10万台オーバーのヒット機種となった北斗の拳転生の章。現時点での稼働状況は及第点を付けていいのではないでしょうか。前作、北斗の拳世紀末救世主伝説が4号機に似通ったゲーム性に仕上がっていたのに比べると、今作はゲーム性の違いに問題点を唱える関係者も多かったのですが、さすがは「北斗の拳」。新システムの「あべしステム」も心配されてはいましたが、しっかり受け入れられていると言えるでしょう。この先どこまでホールの主軸機種として活躍できるかが問題ではありますが、出足は好調! これを足がかりにスロットコーナーの立て直しを図ろうと考えるホール関係者は多いようです。

 実際のところユーザーの方がどのように評価しているのか。ホールサイドはまとまった台数のデータを日々見ていますが、まず「甘い」という見方が大多数です。正確には数台爆裂してしまうことにより利益が薄くなるという言い方が正しいでしょうか。ツボにハマった時の爆裂は皆さまもご存知の通りで、全国各地では連日2万枚を超えるコインを吐き出しています。それも1〜2台ではないのだからホールサイドから見ればこれは「甘い」となるのでしょう。

 昨今のサミー系マシンはほぼAT機で発売されていますが、爆発力はもはや折り紙付き。山佐や大都、また他のメーカーもAT機をぼちぼち発表していますが、新鬼武者しかり、魁男塾しかり、今回の北斗の拳しかり、爆発力はずば抜けていると言えます。それに追随するのが平和・オリンピアのAT機となりますが、いまや2万枚を狙うならばサミー系を打てばいいと断言できます。

 ただし、逆を言えばそれだけバランスの悪い機械になってしまうというデメリットもあります。出るか出ないかがかなりはっきりしているので遊べる仕様になるはずがない。そのため新鬼武者も魁男塾もあるときを境にガクっと客離れが起こってしまった現実があります。北斗の拳もそうならなければ良いのですが…そこだけが心配されますね。ホール導入から1ヶ月経った今がまさに踏ん張りどころと言えるでしょう。

 7月初旬には大都技研から忍魂弐が登場しすでにホールで好評稼動中。また、お盆前にはユニバの緑ドン3がホールデビューします。定番のジャグラーシリーズが下支えとなり、バランスが良いと思われるA+ARTの2機種が人気機種となって、さらに北斗の拳が爆裂機として人気をキープできればパチスロはしばらく安泰。そうなればイベントができない現状の営業でも、もうちょっと設定状況に期待できるようになるかもしれませんぞ!

 それとは正反対に厳しい状況が続きそうなのがパチンコ。テコ入れで新台を買わないという話は出るものの、釘は正直かなり厳しい。新しい海でもいい、牙狼FINALでもいい、このあたりが長期稼動してボーダーラインくらい回る台がゴロゴロしだすと、パチンコも面白くなるのですけどね。正直、現在のパチンコは勝ち負け以前に釘が渋いですよね。我々がデータを見ていてもそう思いますから(汗)。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。