2013年4月の業界動向とウワサ


 パチンコ・パチスロ業界のトレンドの1つとして、最近はパチンコの羽根モノ導入の流れがあります。どの機種を導入しても稼動が短命になってしまう昨今の機械寿命。その中でもアムテックスのトキオデラックスの調子が良いからか、追随する羽根モノマシンの売れ行きも好調で、稼動も良いという状況です。

 ホールサイドも羽根モノに力を入れようと努力しているからか、いわゆるセブン機(ここ数年、こんな言い方はしないですね)よりも利益率を落として営業しているようです。これはユーザーにとって非常にいい流れです。できればセブン機でも長期稼動が見込めるマシンは利益率を落として使ってほしい。現在でも強いと言われるホールはやはり海物語シリーズの稼働が良く、そのコースが固定島になっているから入替をしなくて済み、結果利益率を落とすことができる。これは業界人でなくても理解できるロジックですよね。

 パチスロではまだこの理屈が成り立っているところもあり、ジャグラーを固定島に成長させ、ART機で集客する流れが出来ている。昨年末くらいからジャグラーコーナーの導入台数と稼動が一致しなくなってきて、厳しい営業を強いられているところも散見しますが、ジャグラーが遊べる機種として君臨しているのはパチンコ営業との大きな違いでしょう。しかし導入台数と稼動のバランスを考えると、機械によって多少の違いがあるのは理解できるものの根本が同じジャグラーシリーズの乱発は控えてもらいたいところ。ただ、私ども機械を販売する側としては、ジャグラーというだけで売れる事実もあり悩ましいところではありますが……。

 さて新台について書きたいと思いますが、現在発売が決まっている大物タイトルは1つ。パチスロ北斗の拳が6月に登場するのは確定。ATタイプなので純増性能は高いものの、その分だけ初当りは厳しいでしょうね。また、いわゆるバトルタイプではないと聞いていますのでゲーム性が大きく変わる可能性大? この他にも夏に向けて京楽産業のパチスロや、ドンちゃんシリーズ最新作が登場するなどの噂話はいくつかありますが、最近は噂先行の話が多いですからね。

 続いてパチンコですが、こちらも直近で目ぼしい機種は見あたりませんね。夏に向けて三洋物産から海物語シリーズの新作が登場するようですが、今回は沖海の後継機種なので本命中の本命といっても良いでしょうか。ただこれも評価が難しいところ。大海物語2は液晶画面が大きくなったという見た目の変化があったので購入する意義がありましたが、今回の沖海に新規性がどれくらいあるのか? これが購入するかどうかの判断材料になりそうです。大きく変わらないならば購入する理由もないですからね。

 京楽産業からは3月に行われた沖縄国際映画祭でも話題になった前田敦子主演の映画タイトルと同様のパチンコ機が登場予定。ぱちんこクロユリ団地という機種名なのですが、これはつまり京楽サイドで映画を作ってさらにパチンコを同時期にリリースするという戦略。いわゆる版権が尽きてきている昨今、版権を作ってしまってパチンコ化するという取り組みは新しいですよね。さすがは先を見据えたパチンコメーカーだけあります。今後はこのような流れが一般化するかもしれませんね。それだけこの業界にはまだお金があるということなのでしょう。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。