2013年1月の業界動向とウワサ


 年末年始に行なわれた選挙にて、民主党が敗退し、自民党政権に再び戻りました。それと同時にカジノ関連の話がまたあっちこっちから聞こえてくるようになりましたね。自民党内にどれだけカジノシンパがいるかは定かではありませんが、新しい税収という意味では魅力的なコンテンツ。それによって、我が遊技機業界がどれだけ影響を受けるのか否かは定かではありませんが、うまく税収を確保してほしいなとイチ国民として思います。

 さてさてパチンコ・パチスロ業界も2013年に突入し、いよいよパチスロの低玉貸し営業が本格化しそう。ホールが番長2の後釜として期待した「秘宝伝〜太陽を求める者達」や「SLOT牙狼」の稼働状況がかなり厳しく、この2機種に共通して言えるのが、コイン単価の高さ。つまり今の5号機の荒さにユーザーがついてこれなくなってきていると分析すると、流れはパチンコ同様、低玉貸し営業へ……となるわけです。

 以前ならば、イベントでコインを出して集客するという手法が取れましたが、現時点ではご法度。ゲーム性の問題もあるのでしょうが、高設定が入っているかどうかわからないシマで勝負するのはリスクが高いとユーザーも考えるのでしょう。波が荒いということは、低設定の誤爆もあるかわりに、高設定域も安定しない。どこかに心のよりどころがないと勝負できないユーザー事情もわからないではない。

 メーカー関係者に聞くところ、今年も単価の高い機種が多いとのこと。もちろん荒い性能をホールが喜んで買うという現状から、メーカーも開発に着手するのでしょうが、今回のパチスロ花の慶次などの成功を見ても、そこそこ遊べて、そこそこ一発もあるくらいの機械が求められているように思います。

 またもう1点が3枚純増を可能にしたATタイプ。秘宝伝や鉄拳デビルに代表されるゲーム性ですが、このタイプがスロットをダメにしているように感じています。高純増をウリにしている分、通常時にリプレイ確率が高いですよね。これ4号機から慣れ親しんでいるスロットのリズムを著しく壊しているように感じるのです。純増を高くしてギャンブルマシンを開発するのは一部カテゴリーとしてはいいのですが、秘宝伝のように多台数導入されると打ち手を選ぶマシンなので当然厳しい。このタイプはホールの主流にはなり辛いと感じていましたが、今回の秘宝伝の稼動を見て確信しました。ユーザーの打ち方を見ていても、コインを投入するタイミングに困っていることが多いような……。

 と、個人的なスロット分析を書かせてもらいましたが、2月に業界人が注目しているのがヱヴァンゲリヲンのARTタイプ。ついに登場です。現在わかっている情報としてはボーナス搭載のARTタイプ。比較的遊びやすいビギナー向けのゲーム性だと予想されます。また、通常時に目押しをしなくても取りこぼす小役がないこと。これは賛否わかれるでしょうね。ミリオンゴッドやバジリスク2のように目押し不要ならばリールを目立たせないのがセオリーかと思いますが、リールが前面にあり、ましてや前作までがリール制御をウリの1つにしてきたエヴァシリーズ。もちろん売れるか否かで言えば売れるでしょうけれど、稼動するかどうかは…う〜ん難しい判断になります。

 1月はゴッドゼウス。2月はヱヴァンゲリヲン。3月は北斗の拳が出るのか、はたまた新鬼武者か? 目玉機種には長持ちしてほしいですね。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。