パチンコは「LT3.0プラス」で大きく変わる!……よね?


 昔の名前で出ています……リスキー長谷川と申します。今年6月末までパチンコ・パチスロメーカー大手「ユニバーサルエンターテインメント」に所属しておりましたが、もう一度表現する仕事がしたく、ライター業を開始! 皆様のパチンコパチスロライフに少しでも貢献できるようなコラムになればと思っております。どうぞお付き合いくださいませ。

 コラムのタイトルは「はせがわ界隈」。自身の界隈で気になることについて触れていきたいと思いますが、第1回目は『LT3.0プラス』について。パチンコ機のゲーム性の幅が広がった……と表現すれば聞こえは良い。実際にはその通りであり、今後は時短の使い方や状態の持ち方によってパチスロAT機のようなゲーム性も搭載可能と言われてます。それと同時に射幸性がさらにアップ! 総量の計算方法変更により、色々と出玉の塊を演出できるようになったわけですね。LTというよりか、このようなゲーム性を搭載したかったのはスマパチ登場前夜に宣言されていたことです。これがようやく形になりつつあります。

 そんなLT3.0プラス機が7月7日にホールデビューとなりました。5メーカー5機種6タイトルがデビューしたわけですが、設置台数的にも人気となっているのがSANKYO「eフィーバー炎炎ノ消防隊2」と、サミー「e東京リベンジャーズ」の2機種。導入週末にこの原稿を書いておりますが、まずまずの稼働状況でスタートした印象です。

 が、しかし! 思うところが2つあります。まずデビューしたのが7月7日ということ。導入カレンダー的にも7月第1週月曜日が7月7日。今や多くの都道府県で新台入替が行われる月頭の月曜日ということもあり、語呂もよく、LT3.0プラスのデビューに相応しい日程だと私も思いましたよ。さぞかしホールも力を入れて新装開店を……と思っていたら、なんと当日は令和7年も頭に付けて7が3つ並ぶスリーセブンの日。当然ながらホールはここぞとばかりに集客を期待し、様々な方法でユーザーの期待感を煽りました。はい、主にパチスロ営業で……。

 私はパチンコの新台に期待して朝から並んだものの、抽選を受けた方の大多数はパチスロの「良い台」に期待しての参戦。これは大誤算! SNSの書き込みも、抽選人数の話から、狙い台取れた!取れない!といったもの、そして結果的に負けて「被害者の会設立」なんて話題まで、ほぼほぼパチスロ一色。LT3.0プラスの爆発力凄い! なんていう書き込みはそれほど目に留まらなかったのは事実だと思います。実際には、特にパチンコデビュー新規版権の東京リベンジャーズファンの書き込みはあったかと推測しますが、パチスロ全般に押されてしまった印象が強いです。

 もう1点が解禁日にデビューした機種に“3.0プラス感”があまりないこと。これは開発スケジュール等を考えると仕方ないことかもしれませんが、既存の機種に少し手を加えた程度でしかないため、正直多くのパチンコファンが「既存の新台」としか思っていない。うわー新しいパチンコヤバイ! とは思えないところがちょっと残念。例えば、炎炎ノ消防隊はLT中の上位突入確率が数種類あって内部で変動しているというこれまでにないゲーム性ですが、こういった変わったことをやっていても、正直それを理解して遊技している人がどれだけいるのか? もちろんパチスロであっても深い部分を知らずに遊んでいる人は多数いますが、パチスロとパチンコの客層の違いもあり、「3.0プラスって何?」「いやどこも変わっていないやん?」という声が聞こえてきそうです。

 それでも稼働状況は現時点では悪くないので、パチンコ復権の第一歩としては合格ラインなのでしょうか? 目新しい斬新なゲーム性を搭載した機種が年末には登場するのか? いまメーカー各社では、LT3.0プラス開発があまりにも複雑な内容ゆえ、出玉率の設計も計算では難しくパチスロ同様シミュレーションソフトに頼らなくてはならないと耳にしました。この事例から推測するに、パチンコも「ここでやめては期待値的に損する」なんてことを考えながら遊技することになっていきそう。それはそれでパチンコらしさがなくなってしまうし、それならば自分のペースでレバーを叩けるパチスロで良くない? と思うのは私だけなのか……。パチンコにはパチンコの良さがあると思いますし、射幸性も十分高いところまで来ていますので、ここから内規含めて、数多くの大ヒット機種が排出されますよう、楽しみにしておりますよ。

リスキー長谷川
雑誌編集、ホール業務、メーカー営業開発とオールジャンルでパチンコ業界の仕事をこなしてきた男。メーカーを退職し、再びライター業を開始。活動の場はYouTubeからコラム執筆まで多岐にわたる。