2025年5月の業界動向とウワサ
2025年5月10日(土)
パチンコパチスロ製造メーカーは総じて「儲けている」イメージが強いでしょう。上場しているメーカーも数多くあり、パチンコ業界内でのヒエラルキーもトップに君臨すると言われています。その理由は明確で、ユーザーは勝てる台に座りたいと言いながらも、やはり人気機種で楽しみたいと思っているのが本音。よってホールサイドは人気機種をいち早く、より多く設置したいと考えます。機種によってはホール側の希望する台数が導入できないなんてこともあり、そうなると死活問題。「人気機種が発売された折には希望台数をちゃんとお持ちしますので…」という営業マンからの言葉を受けて、仕方なく不人気の機種を購入する「抱き合わせ販売」もどきが横行するのもこういった理由からです。
ちなみに現在多くの大手法人とメーカーの取引ルールは、販売予定台数の1%をベンチマークに台数調整するといったやり方。1%というのは法人によって異なりますが、大手法人の保有台数が市場全体の1%程度なので、販売予定台数もその分を購入すると考える取引ルール。もちろん機種の良し悪しによって変動はあるものの、「すべての機種を供給できる」ことはメーカーにとってメリットが大きい。そしてホールサイドもまた、超目玉機種が発売された時には取引ルール分の台数確保+安定取引ゆえの増台交渉が可能となるため、応じるところも多いのでしょう。
このように取引ルールも整備して、どんな機種でも一定台数は買ってもらえる状況を作り出しているゆえに、メーカーが儲かっていると思われるのも不思議ではありません。しかし以前に比べれば厳しい状況に追い込まれつつあり、しばらくなかったメーカーの「倒産」も近々起こるのではないかと言われています。
その理由として挙げられるのは市場規模の縮小です。前述の取引ルールを大手法人と握っていたとしても、中堅から小規模店がどんどん淘汰されているので販売台数が伸びない。今や2万台売れたら大ヒットと言われる状況であり、かつてのように10万台も売れる機種なんてきっともう現れないでしょう。そして、それとは逆に採算分岐ラインを下回る機種が増えてきたことも問題となっています。採算分岐ラインとは、開発費や人件費等を考慮して最低限売らないと赤字になる台数のこと。液晶搭載機ならば3000~5000台、非液晶機で1500~2000台程度と言われており、この販売目標が未達で終わる機種も年々増加しています。これまた大手法人が最低限のみ買うだけで、中小以下は一台も買う余裕がなく、ゆえに販売目標に届かないわけです。
そのような未達機種を連発してしまうと、当然ながらメーカー経営には大ダメージを与えることになります。そうならないために、メーカーは売れ筋で冒険しないスペック、尚且つ液晶演出を使い回した別スペックを開発するようになる。バージョン替えで売れればいいですが、やはりユーザー受けは良くないことが多い。そんなことの繰り返しでメーカー自体の信頼度を落としていき、さらなる販売低下を招いてしまう……どうですか? 皆さんも「あのメーカーのことかな」と脳裏に浮かぶ会社がいくつかあるのではないでしょうか。
ホールにもメーカーにも勝ち組企業は存在する。ゆえに業種としてはまだまだ優秀な部類に分類されていますが、その椅子取りゲームは年々厳しくなっています。メーカーもまた、内情は大なり小なり厳しいのです。
ちなみに現在多くの大手法人とメーカーの取引ルールは、販売予定台数の1%をベンチマークに台数調整するといったやり方。1%というのは法人によって異なりますが、大手法人の保有台数が市場全体の1%程度なので、販売予定台数もその分を購入すると考える取引ルール。もちろん機種の良し悪しによって変動はあるものの、「すべての機種を供給できる」ことはメーカーにとってメリットが大きい。そしてホールサイドもまた、超目玉機種が発売された時には取引ルール分の台数確保+安定取引ゆえの増台交渉が可能となるため、応じるところも多いのでしょう。
このように取引ルールも整備して、どんな機種でも一定台数は買ってもらえる状況を作り出しているゆえに、メーカーが儲かっていると思われるのも不思議ではありません。しかし以前に比べれば厳しい状況に追い込まれつつあり、しばらくなかったメーカーの「倒産」も近々起こるのではないかと言われています。
その理由として挙げられるのは市場規模の縮小です。前述の取引ルールを大手法人と握っていたとしても、中堅から小規模店がどんどん淘汰されているので販売台数が伸びない。今や2万台売れたら大ヒットと言われる状況であり、かつてのように10万台も売れる機種なんてきっともう現れないでしょう。そして、それとは逆に採算分岐ラインを下回る機種が増えてきたことも問題となっています。採算分岐ラインとは、開発費や人件費等を考慮して最低限売らないと赤字になる台数のこと。液晶搭載機ならば3000~5000台、非液晶機で1500~2000台程度と言われており、この販売目標が未達で終わる機種も年々増加しています。これまた大手法人が最低限のみ買うだけで、中小以下は一台も買う余裕がなく、ゆえに販売目標に届かないわけです。
そのような未達機種を連発してしまうと、当然ながらメーカー経営には大ダメージを与えることになります。そうならないために、メーカーは売れ筋で冒険しないスペック、尚且つ液晶演出を使い回した別スペックを開発するようになる。バージョン替えで売れればいいですが、やはりユーザー受けは良くないことが多い。そんなことの繰り返しでメーカー自体の信頼度を落としていき、さらなる販売低下を招いてしまう……どうですか? 皆さんも「あのメーカーのことかな」と脳裏に浮かぶ会社がいくつかあるのではないでしょうか。
ホールにもメーカーにも勝ち組企業は存在する。ゆえに業種としてはまだまだ優秀な部類に分類されていますが、その椅子取りゲームは年々厳しくなっています。メーカーもまた、内情は大なり小なり厳しいのです。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。