パチンコ復活の起爆剤となるのか!?　今年3月から新たなスペックが搭載可能となったパチンコ機が市場投入されます。すでに複数のメーカーが新機種を発表しており、WEBメディア等でもその仕様を確認することができますが、いわゆる「ラッキートリガー搭載」というのがそれにあたります。一言でいえば、ツボにはまった時の爆発力を大幅アップすることが可能になったスペック。今のパチンコ機もかなりの性能を有していますが、果たしてその実力はいかに…!?

　ラッキートリガータイプの基本となる変更点は”総量規制”の緩和です。これまで確変やRUSH突入時における期待出玉の上限は6400個でしたが、これが9600個までOKと内規変更されました。これはつまり爆発力が1.5倍にアップしたという解釈で問題ありません。

　しかし、ラッキートリガー搭載機は確率の下限が1/200と設定されており、ジャンル分けでいえば甘デジやライトミドル帯でのみ開発可能となります。ゲーム性バランスや保通協の試験等を踏まえても、初当りが軽くてRUSH突入率の高い機種は開発できない。そうなると当初から言われていた通り、ラッキートリガー自体の突入率が低いか、上位RUSHを設けてラッキートリガー突入までにいくつかステップを要するタイプが登場すると予想されます。文字通り初当りは軽く当りを重ねていく中でラッキーなトリガーを引けたら幸運が訪れる……というようなスペックになるはずです。

　現状では先行発表された機種は過去に発売された機種のスペック替えで登場するものが多く、市場の反応を探りながらとの空気感が強いです。ホール側の反応もイマイチで、「とりあえず様子見でバラエティに導入しよう」ぐらいの認識。ホールサイドからすれば、パチスロは明確にメダル機からスマスロへ移行という流れが出来上がりつつあり、ユーザーもまたスマスロを受け入れる体制が整ってきています。その一方でパチンコはまだまだスマパチへの移行が進んでおらず、ただ将来的なことを考えるならスマパチ化に進むのは間違いないところなので、そこにスマパチじゃなくP機でラッキートリガータイプが登場するとなると、一体全体ホール内のパチンココーナーをどう作っていけば良いのか……とりわけお客様の混乱が目に見えるので、ラッキートリガー搭載機の導入には積極的になれないという考えも強くあるのだと言われています。

　昨年後半あたりから従来の甘デジタイプでもRUSH性能の高い機種が登場しています。ラッキートリガータイプはいわばその最上位版とも言えるのですが、確率表示上は甘デジカテゴリーでもツボにハマった時の出玉性能が高い分だけミドルタイプよりもハマリがキツいこともあり、ホールによってはお客様に対してこのジャンル分けのアナウンスに苦慮しているところもある模様。当コラムを読んでくれるようなパチンコリテラシーの高い人なら「はいはい、ラッキートリガー搭載機ね」と理解できることも、年配層やライト層にとっては混乱を招く可能性もあるため、高性能甘デジのリリースと同時期にラッキートリガーを推し進めるのはタイミング的にあまり良いとは言えません。また、ラッキートリガーに突入しないとほぼ出玉を得られないスペックというのも予想されるので、勝ち負けがさらにはっきりするゆえにユーザーの財布が持たない可能性も否定できないですね。

　ただ、噂ではスマパチ導入が遅れている分、スマパチ普及策の1つとして「スマパチ限定でミドルタイプでもラッキートリガーを開発可能」とする動きもあるとか。よりギャンブル性に特化することには一定数の需要はあるものの、もはや行きつくところまで到達した感のあるパチンコ機。スマパチが流行らない理由として、パチンコ玉を触ることがない「打感」が問題だという声もありますが、それよりも1/319より厳しい1/349なんて大当りが遠すぎて引ける気がしない……という指摘が一番の理由かも。もちろんリターンは大きい方が嬉しいですし、今のパチンコは出ている時の高揚感も凄まじい。しかしその分、当たらない、ヘソ１個賞球で吸い込みが速い、そして回らない……では面白いわけありません。そろそろバランスを取ったスペックの機種も出てこないと、極端すぎる機種ばかりでは特権階級のお客様しか打てない遊びになってしまいますよね。まあ、そうなりつつあるのが現実なんですけれど……。

　今回は現時点での盛り上がりを含めてやや否定的な内容になってしまいましたが、せっかく内規変更して勝ち取った新たな遊技性能です。市場状況を分析しながら、魅力的な機種が今後投入されることを楽しみに願っております。