2022年11月の業界動向とウワサ


 このコラムでも導入までの経緯・流れについて何度か書いてきましたが、いよいよ次世代パチスロ「スマスロ」がホールデビューします。これを書いている現段階(11月上旬)では、ホールの一部コーナーにスマスロを設置するための工事が進んでおり、あとは期日に納品される機械をはめ込むだけという状況。皆さんもそのような光景を見かけたことがあるのではないでしょうか。年内はスマスロの供給量も限られているので、連日人気になること間違いなし!……いや、正確にはそうなって欲しいと願っています。

 設置開始直前の現状をまとめると、まずユニット不足に関してですが、もちろん足りないところはあるようで、希望台数以下しか設置できないホールもあると聞きます。ただし、実際にはユニットよりもスマスロ機自体が手に入らないケースの方が多いようです。つまりユニットは20台分あるけれども、機械がその台数揃わない……。今は部品欠損による機械製造に各メーカー本当に苦労しているので、そんな状況がスマスロ元年の設置にも影響を及ぼすことになりました。

 以前も触れた通り、現状ではスマスロ4機種の市場投入が予定されていますが、いくつかの機種は高設定域のメーカー発表出玉率がかなり高いという特徴を持っています。このあたりについては懐疑的な部分もありますが、もし何らかの違いによって現行メダル機よりも高設定域が安定して出せるのであれば、これは営業する側からすれば大きなメリットになります。ユーザーとしても「もしかしたら高設定かも?」と期待を込めて遊技できるのはパチスロの醍醐味であり、ここはスマスロに一番期待したいところ。ただし、スマスロも所詮は6.5号機の仕様。有利区間G数の撤廃がスマスロには許されているので、現行メダル機と比べたら性能が高いことは間違いないのですが、果たしてどこまで出玉感に跳ね返ってきているのか。業界内でもいまだ半信半疑の部分はありますが、まもなくその答えは出るでしょう。

 年末にかけてはスマスロで話題一色のパチスロシーンでありますが、メダル機ではユニバーサルから「沖ドキ!GOLD」のリリースが急遽差し込まれました。こちらも部材不足の影響なのか前作「沖ドキ!DUO」の下取りが購入条件となっています。他メーカーでも部材不足の問題から同じような施策を取られることがあるので、今後この販売方法が一般化する可能性はあります。

 また、年明け導入のメダル機でいえば、あの大ヒットシリーズ最新作がエンターライズから登場します。同社はユニバーサル筐体ではヒットを連発しているのですが、フィールズ販売の筐体ではなかなか実績を残せていない様子。しかし最新作の注目度はかなり高く、早くも多数の引き合いがあるとのこと。メダル機の台風の目となれるのかに注目です。

 パチンコは新たなムーブメントが「P大工の源さん超韋駄天」から始まり、続いて「Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン」や「P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.」で3000発搭載機が大ヒット。ここ最近はさらに過激なスペックの機械も数多くリリースされています。しかし、出玉の固まりが大きいということは吸い込みもキツくなるということ。スペックが優秀なゆえに回転数が激渋になってしまうという現象も起きている……つまりバランスが崩れつつあるのです。その結果、ホールを見渡してもいまだ人気なのはエヴァ、リゼロ、ユニコーン。この3機種よりも出玉性能の高い機種はいくつもありますが、多くは短命に終わる傾向にあります。そろそろパチンコもスマパチ導入に向けて流れが変わってくる可能性も……。

 さて、新時代へ向けていよいよスタートを切ったわけですが、現状でいえば新時代について行けないと判断したホールの廃業も目立ちます。しかし新陳代謝も必要であるため、スマスロをはじめとした新遊技機による新たな店舗開発、新店の登場が待ち望まれます。これなくして新時代への道はあり得ないわけで、来年はその動きが活発になるのか、はたまた既存店だけが生き残ることになるのか……どうなるかによって数年後の業界の未来が見えてくるでしょう。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。