2021年11月の業界動向とウワサ


 6.2号機パチスロがようやく市場に投入され始めましたが、開発の現場では「スマスロ」を含めた6.4号機の内規が見え始め、近い未来に向けた機械作りに熱が入ってきているようです。ようやくまともなパチスロが開発できるのでは? と言われており、パチンコに押されていたパチスロの復権なるか否かが気になるところ。今回はその内容に触れていきたいと思います。

 さて、冒頭から読んで「6.3号機はどこいった?」や「スマスロって何?」と疑問に思ったユーザーも少なくないでしょう。業界に従事する方でもスマスロは初めて耳にしたかもしれません。スマスロというのは、封入式パチスロから始まって一時はメダルレスパチスロという呼称が広がりましたが、ここにきてパチスロメーカーの集う日電協がスマートスロットを正式名称としたことから、略してスマスロというネーミングが世に出ることになったようです。

 現在、6.2号機内規で開発された機械の一番の特徴は有利区間が1500Gから3000Gになったこと。これによりゲーム性の幅を広げることが可能となりました。その後6.3号機内規も存在しており、6.3号機では今までのメダルありの流れとメダルレスで内規が分かれています。メダルありは6.2号機内規とほぼ変わらないのですが、6.3号機スマスロでは有利区間の搭載が任意となっており、事実上の有利区間撤廃となっているのが大きなポイントとなります。

 そしてこの6.3号機内規を踏まえ6.4号機について議論されているのですが、6.3号機から変更が許されそうなのが、有利区間ランプの存在を任意にして良いこと。これはメダルありとスマスロどちらにも対応可となりそう。これが許されるとさらにゲーム性の幅を広げることができ、出玉リミッター以外は5号機の全盛期にかなり近い機種が開発できるのではないかと想像できます。

 以上の現状を整理すると、近い将来メダルありのパチスロはまだ開発され続けるものの、内規上で優遇されたスマスロも登場します。ホールサイドは設備投資がかさむものの、以前と同様のパチスロの登場に期待できるようになります。具体的には、来年にはスマスロがお披露目され、再来年の2023年には使える機械が出てくるかな〜といった時間軸になります。

 ただしこの流れには問題もあって、こういった噂話(このコラムは相当裏を取っていますのでほぼ事実ベースですが)は出るものの、メーカーサイドからホールへの案内が一切ないのです。これがなぜ問題かと言えば、設備投資にどれくらいのお金がかかるのか? その設備はどこから買うのか? 昨今の半導体不足によって設備は欲しい時に欲しいだけ買えるのか? といったことが分からない。つまり、機械が検定に通りました! スペック的に優遇されています! と営業マンからセールスされたとて、設備資金の問題や設備を揃えられるかが皆目分からないのは困るということです。これは機械のデキが良い時ほどホールサイドが困惑するのは間違いありません。良い機械は出て欲しい……ただし買えるかどうか分からない……本当に困ります。もう少しすれば全容が見えてくることを現場は願っているのですが、その空気は業界内にないのも事実……。

 さて、ここまでスマスロを中心にコラムを書いてきましたが、スマパチも同時に進んでいることを忘れちゃいけません。パチンコの場合は昨今の機械がスピード特化も含めてかなり激しいものが多いため、スマパチになるのだからさらに自由になるという方向にはいかないだろうと言われています。ただし確率の下限を1/360以下まで下げられるようにするとの話もありますので、大当り確率を下げた分いずれは爆発力を上げられるようになるならば、パチンコのギャンブル性はさらに高くなっていきそうですね。パチンコメーカーの組合である日工組はそのあたりの交渉が上手ですから、こちらは長い目で期待しましょう。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。