2021年8月の業界動向とウワサ


 このコラムを読んでいるパチンコ・パチスロファンの方には「好きなメーカー」はありますか? 勝てる可能性がある機種を打つ! 新機種を好んで打つ! なんてユーザーも多いとは思いますが、その一方で海物語やジャグラーしか遊技しないという方も大勢いるはず。ホールには海シリーズやジャグラーを筆頭に様々なメーカーの多種多様な機種が設置されていますが、2021年夏…現在どのメーカーのシェアが高く、また人気があるのかを調査してみました。

 まずはパチスロから。全体割合の約23%を占めるのが北電子グループ。その殆どがご存知ジャグラーシリーズとなるので、パチスロ設置の約4分の1がジャグラーという解釈で問題ありません。いま現在、来年早々の5号機ジャグラー撤去の際に代替機が用意できないことが問題になっていますが、これだけの台数(20万台以上)を入れ替えないとならないのですから供給が追いつかないのも確かに分かります。

 2番手はユニバーサルグループ。ユニバーサルは全体の約18%のシェアを占めています。実のところ1年以上前は北電子よりもユニバーサルグループの設置シェアのほうが高く、まさしく最大手メーカーとして君臨していました。しかし、ハーデス、ミリゴ凱旋、沖ドキ、バジリスク絆など、5号機のメインどころが次々と撤去されることによって首位陥落。6号機ではバジリスク絆2以降ヒット機種に恵まれなかった同社ですが、新ハナビ、SLOTまどか前後編がデビューしてようやく設置台数を盛り返し始めたところです。北電子がいまだ5号機でシェアを取っていることを考えると、今後のラインナップ次第ではユニバーサルの首位返り咲きも十分にあり得ます。

 3番手につけているのは大都技研でシェアは約14%。2位に肉薄している同社は6号機にかなりシフトが進んでいるメーカーなので、今後さらに6号機のヒット機種を生み出すことができれば首位に立つことも十分考えられます。TOP3以降は4位に約11%でサミーグループ、5位に約6%で山佐ネクスト、6位に平和オリンピア、7位にパイオニアと続いていくわけですが、冷静にパチスロコーナーの光景を振り返ってみれば確かにこの順位にも納得です。いずれにせよ、“ジャグラー“一強、そしてユニバ、大都技研はメーカーとして強し!という現状であります。

 続いてパチンコ。パチンコメーカーは海物語シリーズ、そしてP大工の源さん超韋駄天が大ヒットした三洋物産グループが設置割合約36%でダントツの首位。一時期は海物語シリーズの客離れから販売台数が伸び悩むこともありましたが、超韋駄天の大ヒットが海物語シリーズの設置シェアをさらに引き上げる結果に繋がったと言えます。今年から来年にかけてさらに海物語シリーズを発表すると言われていますので、場合によっては40%台のシェアも見えてくる可能性も。

 2位はSANKYOグループ。エヴァシリーズがヒットしていた時分はもう少しシェアがあったものの、現在は設置割合11%ちょっと。これでも昨今はSANKYO本体(エヴァシリーズはビスティブランド)が頑張っているのでこの位置をキープできています。今年4月からTVCMが解禁されるとどこよりも早くCMを打ち出したのも同グループで、少しでも三洋物産の牙城を崩したいところです。

 3位はセガサミーグループ。サミーといえばパチスロのイメージが強いメーカーではありますが、実はここ数年パチンコ部門が圧倒的に結果を残しています。北斗の拳シリーズから始まり、いまだ根強い人気を誇る真・北斗無双シリーズの大ヒット。新枠に変わってからはちょっと勢いが弱まったものの、パチスロに比べれば安定した成績を残しています。以降は、4位にニューギングループ9%弱、5位に京楽グループ8%強、6位に平和オリンピア7%弱、7位に藤商事グループ5%……と続いていくのですが、牙狼シリーズのサンセイR&Dはここまででなんと圏外。京楽や藤商事も全体のシェアからすればこれぐらいしかないのはちょっとびっくり。

 当たり前のことではありますが、上位のメーカーには押しも押されもせぬ大ヒット機種が存在し、またそうした機種を排出した際に大量生産するだけの力もあります。来年には旧基準マシンが全て撤去される予定ですので、もしかしたらそこでメーカーの力関係も変わるかもしれない。その時はまたデータをまとめてみたいと思います。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。