2021年7月の業界動向とウワサ


 先月のコラムにて、東京オリンピック開催に向けて世論を置いてきぼりにしてでも開催に向けて進んでいる……その影響を受けてパチンコ業界はどのように動いていくのか? と書かせて頂きました。現時点での状況は、開催2週間前にも関わらず、東京に4度目となる緊急時代宣言発令。よって一度は決めた一定数の有観客開催も一都三県は無観客で行うとの報道がされています。世界を巻き込んだ4年に一度のスポーツの祭典ですが、コロナ渦で仕方がないとは言え、ここまで二転三転するものなのか……。

 とにかく世間は騒がしいところではありますが、先月のコラム寄稿から1か月経過してもパチンコ業界にオリンピックの影響は皆無と言えそう。実際には、東京に緊急事態宣言が発令されれば東京五輪はテレビ観戦での応援が主になるので、パチンコ店の稼働には相当の影響を与えると思います。しかし、新台入替等の自粛はありません。お盆休みも東京から地方への帰省がある程度自粛されるでしょうから、ホールにとってはプラスに働くのでは? まあ、業界の人間からすればそうであって欲しいという願望込みの予測ではありますが。

 そんなお盆営業ですが、パチンコもスロットもメインコースで活躍する機種が見えてきました。まずパチンコですが、GW前後は「P大工の源さん超韋駄天」を甘めに使うホールが多かったのですが、7月に設置された「P牙狼月虹ノ旅人」と「Pスーパー海物語 IN 沖縄5」の稼働状況が好調で、このままお盆時期もメインで使われるのは間違いない感じ。旧イベント日等は積極的に狙っていいのではないでしょうか。また、依然多くのホールがメインコースに設置している韋駄天は、ホールによって状況が大きく変わるためその見極めはしっかり行いたいところ。それ以前に人気だった「Pとある魔術の禁書目録」あたりはそろそろ入替対象機種になってきているので、手を出すのは多少リスクありかも。

 続いてスロットですが、7月に多くのホールに設置されたのがノーマルタイプの「新ハナビ」。元々技術介入をきっちりこなせば設定1でも出玉率100%近くというポテンシャルを持っているので、導入当初は赤字営業が続いているようです。実際に設定が落ちてきてもそれほど大きく負けるようなことはないはずで、遊べるという観点で見ると、こういった機種が設置されていると逃げ場があってユーザーとしては有り難いと思います。これはサミーの「パチスロガメラ」にも同様の考え方ができる。どちらも導入直後から稼働は良好です。

 また、8月初旬には「SLOT劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語」が設置開始。これがお盆前で一番のメイン機種になりそうですが、出玉に関しては特殊なホール以外はお盆明けに期待か……。ちなみに特殊なホールというのは萌え系スロットにものすごく力を入れているお店のことで、代表的には秋葉原に店舗を構えるようなホールのこと。そういったホールの場合は、一般的な出玉放出の法則には当てはまらないです。

 パチンコもスロットもメイン機種が変わりつつあります。パチンコなら「CR真・北斗無双」、パチスロなら5号機ジャグラーシリーズや「ハナビ」に代表されるアクロスマシン、また「SLOT魔法少女まどか☆マギカ2」あたりは出玉還元されることがほぼ無くなってくるでしょう。ここでも何度か書いていますが、これらのマシンはコロナの影響で延期されたとはいえ来年1月末での完全撤去が決まっており、これ以上はさすがに撤去期限が延長されることもないはず。しかし出玉性能が現行機種に比べれば高いので人気のあるうちにこれらで少しでも稼ぎたい……これがホールサイドの本音なのは間違いありません。

 勝率を高めるためには今も昔もホールのメインコースを攻めるのが常套手段。もちろん遊びと割り切って好きな機種を遊技するのが理想ではありますが、メインコース以外の運用は年々厳しい状況になりつつあります。できるならば甘めに使われているコースで遊技し、数多くホールへ足を運んでもらいたいですね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。