2021年4月の業界動向とウワサ


 パチスロ規則の一部が緩和されることが確定しました。型式試験への持ち込みも5月からと決定したようで、順調にいけば年内にホール設置されることは間違いない。6号機もようやく見通しが立つようになったと言えるのでしょうか。

 今回決定したのは有利区間の緩和で、有利区間が1500Gから倍の3000Gになったことによりゲーム性の幅を随分と広げることができます。言い換えれば、6号機開発のデメリットの多くを取っ払うことができるのでゲーム性の向上は間違いありません。

 6号機には2400枚規制が存在しますが、残念ながらこの規制は残っています。しかし現行の有利区間であれば、展開次第で2400枚に到達しなくてもリミッターが作動してしまうことが多々あります。例えば純増3枚のAT機で天井が1000Gとすると、天井が作動した場合に残り500Gしかないので3枚×500G=1500枚しか出せません。要は2400枚取りきれないわけですが、有利区間3000Gという今回の緩和によって、このような事例を解消することが可能となります。

 つまり事実上、2400枚リミッター以外はほぼ5号機の最後あたりと同じような機種開発ができるといっても過言ではないわけで、もちろん一撃の魅力という意味では6号機としてのMAX値は変わりませんが、まあまあパチスロ6号機にも明るい兆しが出てきたと言えるでしょう。

 ただし問題なのはジャグラーを筆頭にパチスロコーナーのベースを支えるノーマルタイプ。6号機ジャグラーが一定の評価を得ているとはいえ、やはりビッグボーナスで獲得できる枚数が200枚ちょっとではなかなか厳しい。設定通りに出ると言えばそれまでですが、出玉の波が緩やかな分、ホールサイドが利益を得ようと中間〜低設定を使えば稼働状況はかなり厳しいものとなります。現状ではまだ5号機ジャグラー、ハナハナ、ハナビ、バーサスといったマシンが健在ですが、これらの代替機として満足いくものが存在しないのは事実。このあたりの規則については今のところ緩和の話は噂でも聞こえてきません。内規変更ではどうにもならない事案なので、6号機という縛りではこのままになるのでしょうか。

 そうなると、ノーマルタイプライクなゲーム性ではあるものの低純増のATを利用して500〜1000枚程度の塊を作るマシンが主力となるかもしれません。メーカー各社ともにこのジャンルの開発を進めていると言われており、ATでコインを増やしながらリーチ目も作れるような配列をどうするのか、メーカーの開発力にも注目したいところ。

 さて、2400枚のリミッター撤廃に関しては、水面下で開発が進むメダルレスマシンにのみ許されるようになるのでは?とも言われています。年内には試験可能になるとも噂されているので、CR機導入プリペイドカード普及のように、新たなデバイスを流行らせるために、新ジャンルのみ特別な出玉設計が許されるのかもしれません。しかしメダルレスマシンはどの部分に利権があり、誰がそれを広めたいのかが聞こえてこない。メダルレスになることによってデータセンターが必要となりますが、ここを管理する団体がポイントになるのでしょうか。いずれにせよ突出した出玉が認められるのは良いのですが、新しい設備等を購入する体力が現在のホールにあるかは微妙。設備投資を強いられることによってさらに離脱するホールも増えるでしょうから、ホール軒数が5000店舗を下回る時代はもうすぐそこなのかもしれません。

 このようにパチスロには大きな動きがあり、メダルレスパチスロも来年には登場しそうな流れではありますが、パチンコに関してはまだ不透明。ただし過去を見てもパチンコメーカー団体のほうがきっちり団体交渉をして、大きな利益を得てから発表する向きがあります。パチンコのギャンブル性は大きく変わるのか? そのあたりには今後注目していきたいですね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。