2011年11月の業界動向とウワサ


 ホールさんもメーカーさんも、いわゆる「規制」によって、今まで出来たことがどんどんとできなくなっています。これが世の不景気ムードと相まって、この業界も閉塞感がかなり強まっていますね。とにかく手が打てないのがツライとの声をよく聞きます。大阪はこの時期に交換枚数変更を余儀なくされたホールも多く、この告知も満足にできない。できることといえば、ちょっとしたお菓子などを提供するイベントか、いわゆるコンパニオンやライターさん、芸能人等の来店イベント系。でもこの来店イベントもスケジュールは取れないわ、今後は特定の日に有名人が来店するイベントはNGになると言われ始めているわで、ほんと八方塞がり。結局機械入れ替えに依存するしか集客方法がないようです。長い目で見れば地道に出し続けるのが一番だとは思うのですが。

 そんなこともあってか、前回のコラムで書いた通り、大手メーカーのパチスロが売れに売れています。すでに導入が開始されている「押忍!番長2」は楽々10万台を超える販売台数を叩き出しているとか。11月納品の「赤ドン雅」も初期予定台数5万台は楽々完売で1万台の追加を決めて現在も営業中。ただ上乗せ分はちょっと厳しい状況みたいですけどね。
 そして「パチスロ北斗の拳世紀末救世主伝説」。12月5日からお目見えですが、12月いっぱいで10万台オーバー確定。その台数、12万台とも15万台とも言われています。この3機種で少なく見積もっても25万台オーバー。市場の約5分の1程度の機械が入れ替わるのですから凄い。実際にはパチスロコーナー増設。もしくは専門店を立ち上げるホールも多いとかで、パチスロシーンはさらなる盛り上がりを見せることでしょうね。ただこの秋の稼動を見ると、これ以上台数を増やしていいのかなと心配する声があるのも事実。

 パチスロはその次の話も聞こえてきており、年明けには山佐から「鉄拳シリーズ」が登場。「モンスターハンター」の登場も1月と言われています。さらにユニバーサル系からは「コンチネンタルシリーズ」が。コンチと言えば爆裂の称号。ミリオンゴッドクラスの爆裂ART機なんて言われていますけど。

 逆にパチンコは年末年始の「ぱちんこ必殺仕事人IV」くらいですね。SANKYOの「宇宙戦艦ヤマト」も5万台以上を目標にしていると聞きますが、ホールさんの反応はイマイチ。あとは「プレミアム海の甘スペック」が順調に売れるくらいでしょうね。

 パチンコもパチスロも最近は超大型マシンに話題が集中し、中堅どころが本当に売れなくなりました。5万台以上売れる機械か1万台以下か、みたいなイメージですね。こうなるとメーカーも部材調達を少なくして、早期完売を目指す。これは大型タイトルでも同様で、結果モノ不足が起こっているように感じます。また事実上の機歴販売を強いてくるメーカーも多くて、ホールさんも大変です。もう少し欲しいものを欲しいだけ買えるようになるといいのですが、メーカー側も機械の売れ残しをしたくないのか、我々販社には厳しい条件をぶつけてくる。そうなるとホールさんに付き合ってもらわないと商売が成り立たない。これも完全に負のスパイラルですね。
PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。