2020年11月の業界動向とウワサ


 現在のパチンココーナーにおいて絶対的な主役となっているのが「P大工の源さん 超韋駄天」。10月には多くのホールが増台をかけ、主力機種として稼働しているところも多いです。当コラムでも触れましたが、本機のウリはRUSH実質継続率約93%という圧倒的な継続率の高さが生み出すドラマ。3回転するのに約3.5秒、最後の1回転を含めても約11秒で決着がつく超スピード仕様。実際の総量出玉は他機種同様となっているものの出玉スピードが圧倒的に速いため、総量以上に連チャンした際の出玉獲得速度は1時間ほど継続すれば30000発近い出玉を払い出すこともあります。

 この「速さ」が人気となり各ホールの増台に繋がっているのですが、速すぎることによってやはり射幸心を煽りすぎているのではないか……と言われ始めたのが9月の終わり頃。この速さを他メーカーが追随するのは当然ながら予想されていましたが、業界内ではこの手のタイプも禁止されるといった噂が流れました。しかし、ある一定のルールを設けることで、今後も類似スペックを出せるよう組合側が先手を打ったとのこと。これはパチンコの先行きにとって朗報と言えるでしょう。

 11月に入り、地域によって差はあるものの「ミリオンゴッド-神々の凱旋-」の撤去が進んでいます。残る大物は初代「沖ドキ!」ですが、こちらは設置期限が来年1月11日と撤去日も決定済み。しかし入替の問題もあって期限をさらに数日延ばそうという動きもあり、最後の最後でホールサイドが足掻いている状態です。まあどちらにせよ、凱旋が無くなり、沖ドキも来年1月中旬には姿を消し、ジャグラー、ハナハナ、ハナビなどノーマルタイプも徐々に台数を減らしていく。そうして予想されていたことが現実となるにつれ、6号機パチスロに力を入れるというよりかは、まだ期待の持てるパチンコに力を入れようと考えているのがホールサイドの基本的思考。そのメインとなるのが大工の源さん超韋駄天であり、これからも同タイプのマシンが狙い目となります。

 この年末、場合によってはパチスロを減台してパチンココーナーを増やすホールも出てくるはず。パチンコの勝ち方の基本はあくまで調整の良し悪しですが、超韋駄天のような荒い機種を目の前にすると、どうしても「どうやったら連チャンが取れるのか」を考えてしまうもの。その気持ちも理解できますが、パチンコ・パチスロという遊びは全て確率が支配するゲームであり、結果的に試行回数を増やすしか勝率を上げる方法はありません。調整具合によって回転数(試行回数)に差が出るのなら、そこをシビアに捉えて遊技するようにすれば、トータルで見れば勝てはしなくてもそれほど負けないのがパチンコの本質です。

 また、ひと昔前ならばどのホールでも海物語シリーズは別格で調整の良いところが多かったのですが、最近ではその傾向もかなり薄くなりました。簡単に言えば、海物語だろうが、花の慶次だろうが、北斗無双だろうが、そのホールで最も設置台数の多いマシンが甘く調整されるケースが多いはず。微妙な調整の差がよくわからないというユーザーなら、そのホールに一番多く設置されている機種を遊技するのが最もオーソドックスな勝ちに繋がる選択なのは間違いないでしょう。

 パチンコ・パチスロは遊技であり、競馬やボートレースといったギャンブルとは違います。ギャンブルはどのレースだろうが還元率は一定で、100%を超えるレースはどこを探してもありません。しかし、パチンコ・パチスロはトータルでお店が負ける日もあれば、機種単体で見れば期待値が100%を超える台は存在します。これがパチンコ・パチスロが勝てるという(パチプロが現在でも存在する)理由でもあります。ただ何も考えないで打っていれば大きく負ける。せっかく趣味で楽しむなら少しでも実利があったほうが良いので、ホールが置かれている状況から色々と考えてみることも趣味を長続きさせるコツかも知れませんね。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。