2019年12月の業界動向とウワサ


 激変の年と予測された今年一年。施工された新規則に則った機械が市場に投入され、現在はその入れ替え作業の真っ只中。旧規則で開発された機械の方がスペックは総じて高いので現状はどの機械もギリギリまで設置され、期限を迎えた機械は泣く泣く新規則機に入れ替わっていくというのがここ数ヶ月の流れです。この年末にはパチスロの稼ぎ頭であるアナザーゴッドハーデス、バジリスク絆などの撤去が実施され、パチスロコーナーが大きく変貌したホールも多いことでしょう。

 この年末のホール営業を振り返ると、基本的には撤去する機種に設定が入ることもなく、撤去2ヶ月前くらいから貯金箱と化したところが大半でした。しかしここがパチンコ・パチスロの面白いところで、その逆を突いて“さよならイベント“のように出玉を放出する事例があったのも事実。こういった情報は事前にSNSでなんとなく匂わすのが慣例になってきているので、撤去される大型タイトル設置店の情報は今後も小まめにチェックしておくと良いかも。

 さらにもう一段階ホール側の心情を考えると、出玉具合は撤去される機種の代替機の状況にも左右されるということを覚えておきたい。撤去される3機種の代わりとなって欲しかった機種……これはもう「パチスロ北斗の拳 天昇」で間違いなく、実際のところ多くのホールで解禁初日は台数を抑えて導入し、撤去と同時に北斗の拳を増台するところが目立ちました。しかしその北斗の拳の状況が初手からそれほど良くなくて……ここがポイント! もし北斗の拳の初動(初期稼働)が良ければ、間違いなく撤去する機種は総じてカッパギ状態であったのは間違いないでしょう。そこで多少お客様の財布を痛めつけたとしても、これから数年は使っていきたい新機種の出玉を見せてきっちり稼働をつけた方がトータル的にベストだからです。

 しかし初動が厳しいとなると、北斗の拳の出玉も無駄になる可能性がある。そうなると「機種」ではなく「お店」にお客様を留めておかないと……という心理が働き、イベント等で派手に出玉を見せるという選択肢も出てきたということ。

 この事例で考えると、パチスロにおいては今後も数機種で同じようなことが起こる可能性があります。まず5月に撤去される初代沖ドキシリーズ、そしてアイムジャグラー。その後はハナハナシリーズもシリーズごとに撤去が続き、8月にはミリオンゴッド凱旋、サラリーマン番長も撤去されることに。すでにジャグラーと沖ドキは後継機種が発表されることが決定しており、他の機種も同様に後継機種が入れ替え第一候補となるでしょう。

 パチンコはどうなのか。頭に「P」が付いているものが新規則機となり、1回の大当り出玉の最高払い出しは1500個。旧基準機では北斗無双を筆頭に払い出し2400個を搭載している機種が多々あり、こちらも新旧で出玉性能に大きな差があります。

 パチンコは2020年の下期に大半の旧基準機が撤去時期を迎えます。パチンコの場合は設定搭載機でない限りデジタルの回転状態によって出玉状況を把握できるので、パチスロとは違ってお店のやる気が可視化・認識しやすいという特徴があります。果たして撤去時期を迎える時にどんな光景が広がるのか……まあ、同時期に一斉に入れ替えを行わないとならない=予算をかなり必要とするため、パチスロほど出玉には期待できないかもしれません。

 最後になりますが、2020年は撤去→導入が相次ぎます。ホールからすれば新規則機の導入を軸にした営業でファンの心を掴みたいところですが、そんな出玉の余裕は無いかも。新装開店=玉・コインが出るというのはもはや幻想か……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。