2017年3月の業界動向とウワサ


 ようやく釘問題が鎮火して…と思っていましたが、パチンコ業界を取り巻く環境はますます悪くなるばかり。旧MAXタイプの撤去でひと段落着いた、いや着けたと思っていた業界サイドでしたが、実際は中古機設置の際に申請時のゲージと同じかどうかのチェックが、甘デジだろうと行われる地域があったりして、まだまだ予断を許さない状況といえます。つまり疑わしきものは、やはり撤去しなくてはならないのです。

 広告規制もまた然り。今までは、ダメと言われたものはやらないにしても、ある意味抜け穴を探してイベント的なことをし続けていたのも事実。しかし、都道府県毎に対応は異なりますが、いよいよライター来店といった擬似イベント行為も禁止、また収録の告知も禁止と、なにもできない地域が増えてきています。厳しく規制されないと抜け穴を探すのだから仕方ないのかもしれませんが、全てダメと言われると一気にキツくなるところもあるのではないでしょうか。

 その規制の延長線上には、ジャグラーナビなどの周辺機器に対する物言いもあります。これは周辺機器が特定機種を盛り上げるように見えるとの判断ですが、ここまで来ると、いわゆる装飾は全てNGという話にも聞こえてきて……。まあ、規制する方の理屈も分からなくはないですが……。

 閑話休題。この先、依存症問題への取り組みはどのようにしていくのでしょうか? 議論されることは悪いことではないですが、議論の先にはtaspoのような登録制のカードがないと入場できないとか、マイナンバーを利用するとか、ふらっと立ち寄れる庶民の娯楽パチンコ店ではなくなってしまう可能性もあります。そもそも依存症患者数をきちんと確認できていない段階で、依存症対策の話をしているのだから、ちゃんとした答えなんて出るはずないようにも思いますが。

 東京オリンピックに向けて店内分煙の話題も気になるところ。サービス業の中でもタバコとは縁の深いパチンコ店ですが、飲食店同様に分煙対策は免れないでしょう。そうなると店内全面禁煙にして喫煙ボックスを作るのが一般的な施策になりますが、都市型店舗ではそのスペースを確保できないところもあり、そうなるとタバコを全く吸えない環境となります。国内の喫煙率は現在20%を下回るはずですが、パチンコユーザーはその2倍以上の喫煙率と言われてますので、商売に影響するのはデータから見ても間違いないところでしょう。

 ここのところ、このようなネガティブな話ばかり出ており、業界に身を置く私ですら悪い事をしているのかなと気持ちが沈むことがあります。ファンの方も同様で、ますます肩身が狭くなっていってしまうと、それがさらにパチンコ離れを加速させることになってしまうでしょう。もはや機械云々、勝ち負け云々以前のところで業界を盛り上げていかなければなりません。ホントに消える時はアッという間だと思いますから。ここが踏ん張りどころかもしれないですね。

 遊技機絡みで話をまとめると、規則改正の話が出てはいるものの、その内容は厳しくなる可能性の方が高く、それが決まればスロットの旧基準機は早々に撤去しなければならなくなるかも。その方が目先、ホールにとって大問題です。ただしこれも今年一年でいろいろ決まっていくでしょうから、今のように楽しめるのは今年いっぱい…かな? よく言えば新時代を迎えようとしている。業界にとっては良い時代が終焉する年になりそうですね……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。