2012年8月の業界動向とウワサ


 パチンコのヒット機種がない……と、このコラムで書き続けていましたが、この夏、あっという間に駆け抜けた、京楽産業のAKB旋風。展示会から数週間で20万台以上の案件を集め、それに近い台数を売ったと言われております。8月末はあっちこっちのホールでこの機種の新装開店が相次ぐでしょうね。大手某チェーン店は15000台近く購入したとか。逆算すると、どの店舗も50台程度は導入されるのでしょうね。

 でも、ホールサイドがこの機種をたくさん買いたくなる理由もわかります。すでにこのコラムを読んでいる読者(ファン)の方はご存じかと思いますが、さらなる広告規制の厳格化を余儀なくされることになり、ホールサイドは打つ手がない。もちろん今までが派手すぎたのであって、行き過ぎていたから規制が入るわけですし、実際1年前にも通達が出ている事。でもこの1年、抜け道を探してやり続けていたことができなくなる。結果、新台に頼るしか目先の集客方法がない。そうなると、これだけの目玉機種、少々台数が多くてもトップで導入したくなるのは当然でしょう。

 またほぼ同時系列で語られているのがパチスロの規制。これに関してはよくわからないながらも、確かにお盆前後に発表される機械が少なかったのは事実であり、夏から秋にかけても、噂が出ては消えての繰り返し。山佐からキン肉マンが出ることはほぼ間違いないようですが、それ以外のメーカーからは噂だけが……、ユニバのミリオンゴッド神々の系譜ゼウスやサミーの超獣王なんて話はどこに行ってしまったのか。そんな中、ユニバ(エレコ)からはスロット牙狼が保通協を通過したと聞きますが、これもただの噂話なのか? すでに規格外の展示会を企画しているとの話もありますが、果たして真実は……。

 そんな中、今一部コアなスロットファンの間で噂になっているのが、ウィンネットテクノロジーのメガミリオネア。機種名からはなんとなくしか想像できないかもしれませんが、写真を見れば誰もが気がつく完全模倣品。そう、ミリオンゴッド神々の系譜に瓜二つであり、見た目だけでなくゲーム性も同じ。さらにゴッド(に似たプレミア絵柄)揃いが4分の1で1G連するというウルトラ爆裂仕様。1000円あたりのベースも神々の系譜以下であり、とにかくホールサイドからみれば「抜ける」仕様。逆を言えば、一発逆転の要素はあるものの、まず打ったら負ける。我々も興味があって先行導入店へ出向いてみましたが……とにかく厳しい。ネタがてら触るくらいでいいと思いますよ。

 それにしても、いわゆるアルゼ時代はイケイケの会社で裁判をバンバンしかけていたメーカーだけに、ここまで模倣したものを出すメーカー側の勝算はいかに。確かにメーカー規模からすれば売れに売れているみたいですが、それ以上に痛いしっぺ返しがないかどうかが見物です。ちなみに某大手メーカーもここまでではないみたいですが、ゴッド仕様の機種を開発していると聞きますが、こういったご時世、世に出てくるかどうかはわかりませんね。

 最後に……。今回の広告規制の厳格化や、スロットの問題、パチンコは封入式の開発など、今年の下期になんらかの道筋が見えてくる可能性は大。私は業界の人間としても、またファンとしても10年後を見据えた明るい方向に導かれることを切に願っております。どうなることやら……。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。