2012年7月の業界動向とウワサ


 ここのところ、パチスロを取り巻く環境がざわついていますね。やれ、大手メーカーが申請を取り下げたとか、実際保通協に呼び出されて問題点を指摘されたなんて話をあっちこっちで耳にします。事実関係者に話を聞いても、噂話のいくつかは本当のようで、販売戦略を変更しなくてはならないメーカーは対応に四苦八苦しているみたいです。

 そんな中、今年に入って安定的に機械を供給しているのが山佐。実際ありとあらゆるジャンルのマシンを発売しており、販売台数もナンバー1。今年頭の鉄拳2ndからスタートし、銀河鉄道999を発表した後は、5号機最高の爆発力を搭載した鉄拳デビルVer.を投入! 3万枚を超えるコインを各地で吐き出し、押忍!番長2やミリオンゴッド〜神々の系譜〜とは比べものにならないギャンブル機として市場に君臨しております。

 さらに山佐を評価したいのが、同社の看板マシン、ニューパルサーシリーズをノーマルタイプでしっかり供給している点。いまやリーチ目タイプのマシンを作れるメーカーも少ないのか、気がつけば完全告知マシン以外のノーマルタイプはパルサーシリーズの独壇場。今回も多くのホールに導入されており、その強さが目につきます。実際設置すれば1年近くは安定稼動を見込めますからね。ノーマルタイプには派手さはありませんが、ホール営業には欠かせませんね。

 そしてこの夏、ホール関係者の話題となっているのが、大ヒットしたモンキーターンをベースに、押忍!番長のいいところを取り入れて開発されたといわれる、その名も「押忍!! 豪炎高校應援團」。2.5枚純増のART機で、ゲーム数解除あり、上乗せありと流行の要素満載。納品日もお盆休み前とホールが導入を決めるのもわかります。ただこの枠の取り合いが凄まじく、お盆前に導入が決定するホールはかなり限られてくるかもしれません。

 ちなみにお盆明けはユニバーサルから「ドンちゃん祭」が登場。こちらはオーソドックスなボーナス搭載のART機。ユニバーサルといえばミリオンゴッドの後継機が次機種に控えているみたいですが、全容はまだ見えてきていません。さらに9月には聖闘士星矢のパチスロが登場するとのこと。いま聞こえてきているのは、鉄拳デビルVer.タイプで、純増はほぼ3枚。ゲーム性の作り込みもかなりのもので、完成度はかなり高いとの前評判。この秋話題になるのは間違いないところでしょう。

 変わってパチンコですが、この原稿を書いている現在、まだ発売は決まっていないのですが……注目は京楽産業のぱちんこAKB。保通協を通過次第発売したいというメーカーの意向があるようで、大型展示会もすでに予定されている(原稿発表時にはすでに終了済みのはず)とのこと。が、肝心のパチンコ台が通っていないとなると、展示会の方法も難しい。これが版権モノ、とくに芸能人を使ったマシンの場合の難しさかと思います。前田敦子さんの卒業問題も絡んでいるといわれていますが、そのあたりは機械が発表されないとわからないですね。

 最近は噂がかなり先行して、一体いつ機械が発売されるのか。メーカーと直接取引のある我々でもわからないことが多くなっています。いずれにせよ、噂通り使える機械であってほしいなと思います!

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。