2023年2月の業界動向とウワサ


 パチンコの進化が止まりません。今年の4月にはいよいよスマートパチンコのホールデビューが決定しました。現時点では三洋物産から「聖闘士星矢」、平和から「ルパン三世」の発売が決定。そこに京楽の必殺シリーズが続くと噂されていますが、現時点では2機種のみ正式発表となりました。ちなみに、スマスロは頭に「L」が付きますが、スマパチは「e」が頭文字となっています。

 大前提として、スマパチもスマスロ同様にユーザーが玉に触れることがなくなりました。パチンコの醍醐味である”ジャンジャンバリバリ”感が消えて打感はどうなるのか賛否両論ありますが、ポロポロと玉をこぼすといったこともなくなるなど、遊技自体は文字通りスマートになりそうです。

 現行のパチンコ(P機)とスマパチの大きな相違点は3つありまして、1つは先述したパチンコ玉に触れることがなくなったこと。2つ目は大当り確率の下限が320分の1から350分の1になったこと。初当り確率が下がった見返りとして現行マシンよりも出玉性能をアップさせることが可能となり、これまでよりも「荒い」機種の開発がスマパチには許されるようになりました。

 もう1点は「Cタイム」と呼ばれるC時短を利用したゲーム性が搭載可能となったこと。CタイムによってRUSH突入のチャンスゾーンがいきなり発動するなんてゲーム性も可能で、さらにそのチャンスゾーンがお店の開店と同時に(朝イチから)狙える可能性も!? パチスロ的なゲーム性とパチンコの爆発力の融合が可能となるわけですが、すでに聖闘士星矢ではそのようなモードが搭載されているとか。

 出玉性能とゲーム性の幅が広がった分、射幸性対策ではないですが、コンプリート機能も搭載されていて95000個到達が発動条件となっています。ただしこちらはスマパチだからではなく、今後発売される全てのパチンコに搭載される機能となります。

 現状ではまだホール関係者も試打していない状況なので、その打感はネット上でも流布されていませんが、2機種ともゴールデンウィーク前には設置されることが決定しており、先行導入ホールはスマスロ同様にそれなりの”アメ”を用意するはずなので、新装開店情報は要チェックですね。

 それにしても、今年のゴールデンウィーク前には、かなり大がかりな新装開店もしくはリニューアルオープンが相次ぐことになるかも。というのも、スマパチ導入と同時にスマスロの大本命である「スマスロ北斗の拳」が導入開始されます。また、メダル機となるものの「アナザーゴッドハーデス」最新作も同時期の発売が決定。つまり話題機種が目白押しなのです。

 このスロット2機種の登場は6.5号機完全復活どころか、新パチスロ時代の幕開けとなる可能性をも秘めています。初代「北斗の拳」は4号機の長い歴史の中でもトップクラスの人気を集めた機種で、40代以上のオールドスロットファンにはたまらないコンテンツであり、細部に渡るまでリメイクされたゲーム性はホール関係者からも絶大な期待を集めています。一方のアナザーゴッドハーデスは5号機ナンバー1機種を進化させて復活。ユニバーサルのスロットは前作「沖ドキ!GOLD」が初代沖ドキ同様のインパクトを見せつけたことで、ハーデスへの期待感をさらに高めているのは間違いないところ。

 パチスロシーンを牽引してきた2大メーカーから大ヒット機種が生まれることによって、パチスロが新時代へと突入することに期待が膨らみます。スマパチへの期待も大きいのですが、昨今の釘問題(釘を大きく触ることが地域によっては問題になっている)もあって、やはりパチスロが復活を遂げることがホール運営にとっては最も良い効果を残すはずです。そういった思いに応えてほしいこの2機種、ユーザーの皆さまにもぜひとも注目していただきたい。

 2023年から2024年にかけてのパチンコ業界はスマパチのスタートダッシュと、今回紹介したパチスロ2機種が命運を握っているといっても過言ではないでしょう。また、今月頭には埼玉県にて全国初のスマスロ専門店が営業スタート。こちらはコンビニ跡に作られた小さな店舗で、設置機種はオールスマスロ。今年はこういった出店が増えるかも知れませんが、それもまた機械のラインナップがあってのこと。昨年はホールの閉店が相次ぎましたが、これからホールも形を変えて進化していってくれれば嬉しい限りです。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。