2022年12月の業界動向とウワサ


 スマスロがホール導入されておよそ3週間が経ちました(執筆時点)。パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ、Lバキ 強くなりたくば喰らえ!!!、スマスロリノヘブンが先行し、2週遅れでHEY!エリートサラリーマン鏡が導入。現時点で発売が確定している4機種がホールに出揃った形となります。

 スマスロの評価ですが、全体的には順調な滑り出しと言えるでしょう。新たな通信システムを導入し、専用の台間サンドを設置したにも関わらず、大きなトラブルは起こらず通常の新装開店と同じようにオープンできたホールがほとんど。そして稼働状況もかなり高いようです。残念ながらリノヘブンが平均稼働を早くも下回ってしまった現状はありますが、ヴァルヴレイヴを筆頭に稼働は概ね良好。サラリーマン鏡は導入からまだ数日しか経過していませんが、こちらもいきなり稼働が低下するようなことはなさそうです。

 いろんな側面からスマスロを評価してみましょう。まず、スマスロ自体も6.5号機基準ではあるものの、有利区間の上限ゲーム数が撤廃されたことによって出玉性能がアップ(ゲーム性が向上)することに期待されていました。実際には、トップバッターとして登場した4機種は急遽スマスロ用に作り替えた可能性が高く、そのあたりを考慮して作り込んだ機種ではないことが予想されます。しかし、事前の営業資料を見る限りでは「ヴァルヴレイヴ」と「サラリーマン鏡」に関してかなりポテンシャルの高い数値が並んでおり、果たしてその実力はどうなのか…と、デビュー後の挙動に注目したホール関係者も多かったはずです。

 結論から言いますと、出玉率は発表値の通りになっていません(営業資料ではかなり高い出玉率となっていた)が、コイン単価がずば抜けて高く、その出玉性能はミリオンゴッド並みだと評価されているのがヴァルヴレイヴ。4機種の中では同機種のみ純増枚数も高く、ツボにハマった時の爆発力はこれまでの6号機にはないものとなっています。SNS上でも初日からコンプリート機能が発動した情報が多数拡散されており、一日にしてスマスロの爆発力!が知れ渡ることになりました。

 バキでもコンプリート機能は発動しているようですが、そこまでコイン単価が高いわけではないといった様子。リノヘブンに関してはコンプリート機能発動の話を聞いたことがなく、ホールでも5000枚程度がやっとの出玉性能。そのスペックが悪いわけではありませんが、スマスロは「出玉性能がずば抜けている!」という事前の期待がユーザー側にもあったからか、結果として出玉性能の高い機種から人気となっています。ちなみにサラリーマン鏡はまだ数日の結果を見ただけですが、バキと同等くらいの出玉性能に落ち着きそう。ただし高設定域の出玉性能はかなり高くお店のやる気を見せたい時には重宝されそうです。

 出玉性能以外の部分では、メダルが無いことによって運用面でかなりのメリットを感じているホールが多いようです。まずメダルを借りる、また投入する・払い出すという動作がないことから、1時間あたりのプレイ数(回せるゲーム数)が増えました。業界用語ではIN枚数(メダル投入枚数)が上がるといった言い方をしますが、既存のメダル機に比べると1割程度IN枚数が多くなっているようです。また、ホールによってはメダルをジェットカウンターに流すというオペレーションも無くなり、従業員の負担をかなり減らすことができたとのこと。

 打ち手からしても、やはりメダルを触らずに打てるのでかなり楽ではあります。出玉感や手持ち無沙汰な面でまだ慣れないユーザーもいると聞きますが、手間が省けて楽なのは間違いないはず。ただしメダルがないことで空き台かどうかを判断するのが難しく、またちょっと席を外すにも台をどうキープしたらいいのか迷っている姿をホールで見かけます。このあたりが課題ではありますが、すでに多くのホールでは遊技台に札を引っ掛けるなど独自ルールで運用しているようです。

 オープン当初の盛り上がりは少し落ち着いた感はありますが、いまだスロットの中では稼働良好なスマスロ。ホール側もスマスロを盛り上げるため高設定を使っている割合が比較的高く、年末までは狙い目であることが間違いないので、この機会に是非プレイしてみてはいかがでしょう。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。