2022年4月の業界動向とウワサ


 パチンコがさらに進化していく可能性を秘めた機種が登場しました。その名は「Pアレジン プレミアム」。おじさん世代には馴染みのある爆裂アレパチの復刻版になりますが、どのあたりが進化しているのかと言いますと……そう、この機種は意図的にモーニング(※朝イチから早い大当りに期待できる機能)を仕込むことができるのです。このモーニング機能を含めて「アレジン復活!」と心躍りますが、実はこれが少々問題となっているようです。

 本機は少し前に搭載が許可された”C時短”機能を用いることで、お店側が意図的にモーニングを仕込めるという仕様を実現しました。ホールにとっても上手く使えば朝イチの集客に繋がるので機能としては「アリ」なのですが、このホール側が意図的に仕込むということが「意図的に状態を動かしお客様を煽る行為と取られ、違法に当たるのではないのか?」と、一部で議論に発展。煽る=射幸性に関わる部分はどこまでいっても所轄のさじ加減次第となりますが、”意図的に仕込む行為”をどう捉えるのかがポイントになりそう。ホール導入開始から1週間が経過して、今のところ本件が問題となり営業停止になんて話は聞こえてきませんが、ホールサイドが声高にモーニングを宣伝文句に使うようなことがなければ、そこまで大きな問題とならず落ち着くのではないでしょうか。

 C時短を搭載することでゲーム性の幅が広がるのと同時に、このような機能が搭載可能になることはすでに予想できていたのか、以前ならば「モーニング」と呼称していたような事案の呼び名を別の名称で統一しようとする動きもあるとのこと。呼び方さえ変えればいいのか?というツッコミはさておき、せっかく許可された機能ですから、ちゃんと活かせるようにして欲しい。この気持ちはメーカーもホールもファンもきっと同じでしょう。今後はもっと派手にいろいろ仕込める機種が登場する可能性もあり、どこまでが許されるのか動向を見守っていきたいです。

 ちなみに、アレジンプレミアム導入ホールにモーニング機能を活かしているのか?と尋ねてみたところ、「ほぼ入れることはない」との返答がありました。その理由は一昔前と現在のホール環境の差にあるとのこと。昔はパチスロも含めてモーニングを仕込んでいた場合、開店から1時間は景品交換できないなどホール側からお客様にルールを課すことができました。ゆえにモーニングでコインや玉を持たせても、それで遊んでもらうことが可能だったのです。しかし今はそのようなことはできず、仕込みを入れても結果的に即ヤメされるだけ。朝イチの集客にはなりますが、稼働には繋がらないということなんですね。確かに昔と比べると当たって即ヤメされる光景が今は普通になりましたからね…。

 アレジンプレミアムの場合は仕込んだか否かが見た目で分かりやすいと聞いていますが、例えばパチスロのようにモードが内部で変化するような作りにできれば、ホールサイドも使い勝手が良いかも知れません。近く必ずやそういった機能を搭載した機種が登場してくる予感がします。出玉スピード競争もある程度まで行き着いた感がありますので、今後は内部的なゲーム性の拡がりに大きく期待したいです。

 そういえばパチスロにも動きがあるようで、2400枚リミッターは存在したままですが、吸い込んだ差枚分まではプラスαで払い出せるようになるらしいとか。この辺りはまだ検討段階だと聞いていますが、出玉性能を含めてゲーム性の幅が拡がるなら期待したいところ。こちらも何か続報が入りましたらまた触れたいと思います。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。