2022年3月の業界動向とウワサ


 3月に突入し、一部地域を除くとパチンコ・パチスロ共に新規則機のみでの営業がスタートしました。今までは憶測で書いている部分もありましたが、パチンコはP機、パチスロは6号機に移行したことで、ユーザーはどのように対処したら良いのか現状を踏まえつつ今回は書いていこうと思います。

 まずはパチンコ。パチンコはますますギャンブル性が高くなってきており、それに伴いヒット機種もいくつか生まれています。今年に入ってからは「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン」、「P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.」、「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」と、空き台を探すのが難しいくらいの人気を保っている状況。前回のコラムでも触れましたが、人気機種はRUSHに突入した際の出玉の速さがウリのひとつで、30分ほどで20000発程度を吐き出すスピード感が堪らない。こういった機種が各社から立て続けに登場しており、前年対比で売上増、稼働増、粗利増となっています。ちなみにRe:ゼロとエヴァ咆哮は、3月中旬時点で中古価格200万円オーバーと破格の高値で取引されています。

 2月から全てのパチンコ台が新規則機へと入れ替わったことで、人気機種の導入当初は総じて調整具合もかなり厳しく、機械代回収のためどのホールでも利益確保に走る傾向がありました。しかし3月になって若干ですが通常状態に戻りつつあることが見て取れ、勝負するならGW前までは悪くない状況が続くと予想しています。

 そこでズバリ狙い目の機種は…ガンダムユニコーンです。前述したように、Re:ゼロとエヴァ咆哮がきっちりと利益を稼いでくれていることもあり、ちょっと稼働が低下してきたガンダムユニコーンをかなり甘めで営業しているホールが散見されます。これは「P大工の源さん超韋駄天」でも見られた現象で、大人気で利益を取れるだけ取っても稼働が落ちない間は厳しい運用が続きますが、その後さらにスペックアップした機種が登場してそれが利益を確保してくれるようになると、稼働が落ち始めた人気機種を甘くするのです。「P牙狼月虹ノ旅人」も同様の運用になると予想しましたが、こちらは遊タイム非搭載ver.の登場後も稼働が低下する一方で、ホールサイドもすでに人気復活を諦めている様子。もちろんホールごとに状況は異なりますが、全国的な稼働状況およびデータから察するに、稼働が落ちた後に甘めで運用されている筆頭格はガンダムユニコーンの一択と言えます。

 また、もうひとつ触れておきたいのがミドルタイプから甘デジタイプに至るまでの海物語シリーズの凋落です。長年に渡り甘めに運用される代表格が海物語シリーズでしたが、昨今のパチンコ機のスペックがかなり派手なこともあって、安定して遊べる同シリーズの需要が落ちてきています。ホールも思うように稼働が付かないという状況から甘めの運用→通常の機種同様となり、海物語=勝ちやすいという状況を保っているホールはかなり減ったと言えるでしょう。それに伴ってここ最近は稼働も下がっている状況です。

 今後、海物語シリーズがホールのメイン機種として活躍するのは難しいかも。今にパチンコの出玉(スピード)規制も入るとは思いますが、たとえそうなったとしても海物語に以前のようなお客が戻ってくるとは予測し難いというのが自分の見方です。20年以上にも渡り人気コンテンツではありましたが、さすがに時代とゲーム性が合わなくなってきたのではないでしょうか。

 さて、続いてはパチスロですが、基本的にはパチスロも人気の有無がはっきりしており、ジャグラーシリーズ、番長ZERO、沖ドキDUOといった人気どころ以外に出玉を期待するのは難しいという状況です。また次回以降のコラムでも詳しく書いていきたいと思いますが、パチスロはいまだにイベント頼みの営業をしているホールも多いので、様々な状況を見極めつつ人気機種を打つというのが勝ちに近づくセオリーであることは間違いないでしょう。

 以上、3月以降のホール状況を踏まえ現状をまとめてみました。これを参考にしつつ負けない立ち回りを心がけて頂ければ幸いです。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。