2019年11月の業界動向とウワサ


 当コラムで何度も触れていますが、現行5号機の撤去が進んでおり、この年末にはアナザーゴッドハーデス、バジリスク絆といった人気機種が認定切れとともに6号機へと変わっていくはず。その枠を埋めているのがサミーの「パチスロ北斗の拳 天昇」。販売台数は7万台以上とも言われています。高純増タイプでリゼロと比べてどこからでも打ち始められるというウリでしたが、蓋を開けてみればほぼリゼロと同じような挙動。どこまで稼働が持つのか関係者は不安の色を隠せません。それと同時に、やはり6号機の規則に限界があることを露呈した結果となり、このまま行くと6号機は全く期待できない=パチスロ減台、さらには廃業も視野に入れていかないとならないでしょう。

 いま市場にある6号機の問題点は、出玉の塊を作るとどうしてもそれ相当のハマリを作らないといけない点です。ベースを下げることが規則上できないので、結果的に大当り確率を重くするか、無抽選ゾーンに近い状態を作ることで無理やりコインを吸い込むゾーンを作る必要があります。リゼロや北斗の拳 天昇はこの無抽選に近いゾーンがあると言われており、この無駄な遊技時間を懸念するユーザーは少なくない。

 こういった作りになると、通常時がダラダラとしたゲーム性になり、なおかつハマった後に一定の塊でコインを吐き出すといったゲーム性となるためハイエナ効率が高くなる。それ(ハイエナ)目的でしか打たないユーザーが多くなると、無駄なゾーンが回されない=すぐに稼働が低下してしまうという最悪の結果に。すでに北斗の拳 天昇にその傾向が見て取れます。リゼロもまた然り。

 リゼロの場合はデビュー当時に高純増という魅力を体感したいユーザーが一定数存在し、また設置台数も少なかったために高稼働状態が続きました。しかし台数が増え、同タイプの北斗が出てからは供給過多となっている現状があります。しかし6号機の作りを考えると今後もこの手のタイプは出てくると予想され、その結果、冒頭で書いたようにパチスロ自体に期待が持てなくなるという負のループに陥ることになります。

 メーカー側も何とか規則内で魅力あるものを作れないかと模索しており、すでに年末から試験を受けるものは内規を一部変更した6.1号機と呼ばれるものに移行しているとか。細かな説明は省きますが、一部内規を撤廃または解釈を変えることによって、主にベース部分を下げることが可能になるとのこと。もちろん5号機の沖ドキやミリオンゴッド神々の凱旋のようにはいきませんが、1000円(=コイン50枚)で50ゲーム程度回る高ベースから、約10ゲーム程度は削ることができるのではと言われており、もちろん純増は今の5号機よりも上げることが可能なので、そうなれば少しは打ちごたえのある、また幅のあるゲーム性で機械作りが可能になるのではないかと期待されています。

 5号機の登場当初も射幸性は非常に低く、10年以上かけてちょっとずつ内容を模索しながら現在設置されている5号機へとゲーム性を進化させてきました。6号機もまだデビューしたばかりとはいえ、市場環境が厳しいゆえに早期の進化が期待されるところ。今回の内規一部変更を踏まえ、使える6号機の登場を関係者は切に願っています。

 また次回以降のコラムでも詳しく触れたいと思いますが、パチンコでも一部解釈を変えてゲーム性の幅を広げようという動きがあり、パチンコにとっては悲願の天井機能が搭載されるようになるのでは? と噂されています。残念ながら一定の回転数に到達したら大当りを誘発するのは無理みたいですが、天井時短を搭載することで投資スピードを落とすといったゲーム性が可能になるのではないかとのこと。果たして実現するのか否か? 本当に登場するならば楽しみです。

PROFILE/某メーカーの営業職を経験後、ホールコンサルティング事業を興すなど業界歴は長い。現在は販社に勤務。業界動向を独自の視点で分析し販売実績を伸ばしているやり手営業マン。業界メディアにも幅広い人脈を持つ情報通でもある。